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酒々井の夜明け

多様なレンズを通して鉄道を見つめるNikon持ちのブログ 

2014年3月14日 431M 倶利伽羅カーブ

_DSC6225-501.jpg
D700
Ai-S Nikkor ED 400mm F3.5(IF)


「頼む、あと少しだけでいいから持ち堪えてくれ。」

 遡りますこと16時間ほど前、上野から北越急行経由で2度目の富山駅以西入りです。上野を5時13分発の始発で上がっていきますと、高崎に6時55分着、直江津で1時間の空き時間を挟んで富山着が14時08分。外は少なくとも富山県内に入ってからはずっと傘が必要な程度の雨。そしてそんな中、目的地の倶利伽羅には15時ちょうどに着きます。

 2014年ダイヤ改正前は475系の3両編成がバンバン走っておりました。いまでは全くもって考えられませんが、復刻塗装の急行色にもどったA13編成単体をなんと ピン電 で使っております。

 ここまではだいたいいつも通り。D700とレンズをそれなりに庇いながら撮影を終えて、時間つぶしに撮りながら氷見線で乗り鉄していると、D700の様子がいつもと違います。電池を入れてもボタンは反応せずファインダー内が51点すべて表示している状態。なぜかDXフォーマットになっていました。またやってしまったのか、低温下での運用で同じことがこの年の元日にも起きていて、事実上、直したばかりでした。
迂闊でした。この頃のパーティーはデジタルがD700オンリーで補助としてNikomat FTNを携行していました。入っているフィルムは当時格安でいくらでもあったKodak GOLD200で予備弾倉は持ち合わせておらず、先ほどでもISO400 1/250sec F3.5でアンダーだったため全く歯が立たないと、考えずとも決裁ができました。

 「あれできるだろうか・・・」同年の元旦にも発生し、D700が九死に一生を得た実践経験からなるものでした。
またNikonのカメラは歴代、セオリーから外れても応用が利くことを断片で蓄積した情報もあり、もしかしたらできるかもしれないと可能性にかけます。一か八か、少しだけ祈る気持ちでバッテリーグリップを装着してみると目の前には通常作動の出迎えがありました。恐らく、ボディ側からの給電がストップしても、バッテリーグリップ側から電力供給ができれば動くというという事は、確信犯かもしれません。そこを通らずとも稼働ができるわけです。

 目の前の事態が片付いてキハ40のボックスシートにある特有の段差を使って頬杖までもっていき、車窓に目を凝らしてやりますと、真っ暗で雨晴から越中国分の海岸線を走っておりました。暗くとも表情を変えない穏やかな海です。遠く知らない土地へ来たことをより実感するのでした。その後は問題なくD700は欲しい時にいつもの仕事をし、駅構内を撮ったその後のフォルダを見返していますとかえって冴えた狙い方をしていました。


翌朝、呉羽から一番列車の475系で倶利伽羅へ向かいます。


 475系と413系併結の「423M」、475系2編成つなぎの6両で来る「427M」を後ピンで外し、行程の都合上もう本当に後はありません。EF81牽引の貨物をもピント確認に。まだ来ない。このレンズはこんなにも難しかったか、それとも総じて自分があと1歩届かないのか、、、。動作確認はなされたとはいえ、残りは本機との信用でつながっていただけでした。というのも、ドライブをCH固定で回していて、連写サイクルは頭でイメージができていますと明らかにワンテンポ遅れて続いていたのが判ったのです。安い電池で試運転した時、パッケージから出してすぐなのにも拘わらず、バッテリーグリップで稼働できたのはほんの一瞬でした。「もしかして」が ここで 過るわけですね。勿論のこと、本体用のバッテリーは複数個持ち合わせておりますので、続行は十二分に可能とはいえ秒間8コマから5コマ連写にパワーダウンさせなければならないのは使用者のメンタルへのダメージがあります。

 雨は次第に雪へ変わり時計の針の存在を示していました。この時、475系がこの後のダイヤ改正後も存続することを知らなかった私は、さらに次の475系先頭の431Mに向けて追い込んでいくことになります。直近で先行電となる特急はくたか3号で上手くマージンを当てることができて、上り列車が後ろから来たところでライン確認へ。

 当時の頭と今これを書いている場でのジャッジは大きく変わらず、とにかく低温の状況下で回しているという点。振り返って思い返しても、首をつなげて奇跡的に生き永らえたとはいえ、いつまた、稼働不能になりその場の撮影から可能性を程々に削らざるを得ない極めて危ない状況でした。
「あと少しだけでいいから・・・」次に来る列車のピント位置がようやく腑に落ちて、確信を得たところでここで冒頭にもどります。撮り手が仕事を下すのを雨雪に打たれながらD700はその時を待ち続けていました。本体の系列箇所故障という損害状況を抱えてしまった以上、この機体が私にくれた最後の一手をみすみすこの一番で無駄にするにはいきません。

昨日の雨の中でA19編成先頭の列車を落としどころとして得ていたのがまず勝因だったかもしれません。不思議とここからはいつものとおり、遅くなっている連写のタイミングだけ気を使いながら、413系を連れた古豪をこうして見届けたのでした。




今回の故障の原因は極度な温度変化による「結露」です。メーカーの「主な仕様」には、動作環境の項目に『結露しないこと』とあり、いくら防塵防滴とあってもこれは防ぎようがありません。日本海から吹く海風や各地域での雪は機体へのダメージになり、今回4度目でようやく覚えることになりました。同年12月まで無対策でも大丈夫な環境で撮影できておりましたが、それ以降は予備機としてD300、D40などが撮影後の直掩を務めるようになり、一度も修理することなく最後の日まで私の手元で出番を常に待ってくれていました。
寒冷地や湿地など、公共交通を使いながら普段と違う環境で撮影していますと「結露」は付きまといます。壊れる時は前振りはありません。まずは使わないでおくことが最大の保護で、予備機の携帯や仮に潰れたときの対策、それから環境変化に強い機体の選択、機体をケアする算段も忘れてはなりません。

可能性は人差し指をかけて常に時を待っているのですから。


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Party now(2018/10/26)
Body
・D4
・D700 × MB-D10
・F2 Eyelevel(black)
・F-501

・OLYMPUS PEN-D
・Konishiroku Pearl II
・Nicca Type-ⅢF
・LUMIX DMC-GF1(借入中)


Lens
・GN Auto NIKKOR·C 45mm F2.8
・NIKKOR H Auto 50mm F2
・NIKKOR-S・C Auto 50mm F1.4
・NIKKOR P・C Auto 105mm F2.5
・Ai AF Nikkor ED 300mm F4S(IF)
・TAMRON 02B

・Ai-S Zoom-Nikkor 35-70mm F3.5
・AF-S Zoom-Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G ED (IF)
・Ai AF Zoom-Nikkor 80-200mm F2.8D ED〈NEW〉
・Ai-S Zoom-Nikkor 80-200mm F4
・SIGMA APO 100-300mm F4 EX DG HSM

・LUMIX G VARIO 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.
・COSMICAR TELEVISION LENS 25mm F1.4
・Industar61 52mm F2.8

・M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R(貸出中)

Scanner
・EPSON GT-X830

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