涼しくなったところで1本いきましょうか。

Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm F3.5-4.5D ED (IF)です。
久しぶりに需要を感じて超広角レンズを投入しました。おもにD850での作例を上げていきます。

F11で18mm側から見てみましょう。
画面の鉄橋の全長は150m程度はあります。画面左端から奥の対岸までの距離に注目です。

少し建物の密度のある場所で見てみましょう。
四隅のパースペクティブは強く発生し、建物の屋上から左下の通行人までを抱え込んでいます。こちらは青信号の横断歩道から撮影しています。

この作例の取材日は10月25日。15時過ぎの光線で、順光での画面です。18mm側では筆者の影が余裕で入ってしまいます。
とったものを見返してみると順光の弱点に当たってしまいました。同系色が続いてしまうと高低差の表現がままならず、フラットな絵に見えます。サイド~逆光の光源であれば影もできるためにかなりの凹凸が発生し、立体的な絵が期待できそうです。

ズームレンズなので細かい調整ができます。こちらはF9.5で21mm

3つ続けて逆光時の様子です。こちらは開放のF3.5

F5.6。

F11です。ゴーストで逃がし極力ヌケを確保している印象です。


本レンズのカバー範囲はどのくらい得られるのか。上がテレ側の35mm。下はワイド側の18mmです。
差異が判別しづらい場合は画面内の最も近い部分と奥の築堤を見比べてみてください。

ここから下はD700。
こちらは30mm付近のもの。本レンズ1本でパースを切ることもできます。

18mm側にて。思い切り近寄ってみるのも面白いです。
感想へ入ります。
★雑感と所見「なんだ使えるじゃん。」が本音です。
安い超広角は周辺減光がひどく、四隅も出ないという認識が抜けずにおりました。どこかで見かけた「12MPでもきつい」の記載は本当で、確かに本レンズも周辺に無理があるように感じるところがありますが、絵に余裕を持たせたり最終到達点を調整すればよろしいだけのこと。初めて渡されて筆者が運用した超広角レンズが
AF-S14-24mm F2.8Gだったために、大きな高望みは一切ありません。
本レンズはやり手です。F5.6程度まで絞っていればひとまずは成果を出し、四隅まで気を遣う場合はF11前後まで絞り込むとやれるだけの仕事をしてくれます。逆光時も特段わがままでなく、エフェクトにも利用できる素直なものです。
安価な超広角ズームをお探しのユーザーや、試しに使ってみたいユーザーに手に取ってもらいたい1本でした。
★筆者の使い方※メモ程度に残したものをそのまま記載します。
スタートは18mmとする。18mmで広すぎる場合では押し込みでの調整をかける。
24、28、35mmの各指標は目測での判断のもと、こちらも同じように前後の調整で使用する。
基本的には18mmが勝手にズームになった感覚でおり、それ以降は付加価値として判断している。
↓メーカーのページはこちらから↓
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_zoom-nikkor_18-35mm_f35-45d_if-ed/最後にちょっと諸元
Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm F3.5-4.5D ED (IF)
最短:0.33m
絞り開放:F3.5-4.5
レンズ構成:8郡11枚
絞りばね枚数:7枚(円形絞り)
↓INDEXページに飛べます
http://untenteisya.blog.fc2.com/blog-category-22.html※最小絞りはF22とあるが、24mm付近でF27まで絞り込める状況を確認。
最終更新 2020/10/27
- 2020/10/26(月) 23:32:50|
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今回はNikon D2Xを取り上げます。
本機の発売は2005年2月25日。
12.4MPのCMOSセンサーを搭載した高画素タイプで、レリーズタイムラグは0.037秒。D1Xの後継モデルです。
▼投入経緯
投入日は2020年8月16日。
高校時代。大学入試の願書の証明写真を撮った業者が、本機で撮影していたのがきっかけで思い出が1つ。
本機は2009年ごろの最初の一眼レフ探しの際にも中古価格で10万円はざらにつく値札を下げており、大学生を経ても、「大して跳びぬけた物も無いのにいまだ高いカメラ」としての位置づけでいました。
Finepix S3pro、D60、D200、、、当初は「この辺りでゆっくり使えて絵にこだわりを持てる枠が欲しい」として、D80を運用した時期もありましたが違う回答となって手放し。以後も解消することなくこの枠は燻り続けます。ちなみに本機の相場は2018年あたりでもそれなりにする機種であり、机上スペックでの費用対効果を考えた場合では遠い存在でありました。
なぜか諦めることができず、この度、出物の値段に納得がいったためにD700とバッテリーを共用できるメリットを活かし、本機が何らかの事情で使用できなくなったとしても電池を活かせる資産として投入が固まりました。
そう、目的はバッテリー。投入コストの値札からバッテリーの値段を差し引いても十分楽しむことが可能と踏んだ筆者は、あきらめが半分つく買い物として、パッシブセーフティーを設けるプランとしました。品物の状態と在庫を予習してから、新宿の某店で出していただくと……。
「見た目がきれいだ」
モニターは特有のくもりがあるものの、こちらは他のD700や程度のかなりひどいD3などで再三見せつけられているために殆ど気になるものではありませんでした。
無事に確保するや否や、大佐倉~京成酒々井の田んぼで試運転を敢行し、一桁機特有のフィーリングがひしひしと。「これ銀塩だ」と思わせる操作まわりが印象的でした。
★15年前のカメラ
こちらは概ね憶測で述べます。
15年前は2005年。首都圏ではあの103系がまだ常磐線で爆走していた時代でもあります。忘れてはならないのは東海道本線のブルートレインも現役バリバリで、毎日のように発着があったこと。
当時のNikonのデジタル一眼レフカメラでシステムを組んだ場合、6MPのD100やD70がラインナップにあり、D70Sや入門機第一号のD50も未発表で、D200も同年の11月のリリースです。そこで投入してきた12.4MPの本機は破格のスペックでの登場だったのではと感じます。そのころ鉄はCanonでのシェア率があったそうです。
仕事方面においても引き伸ばしを必要としない媒体で出番があり、夜間の手持ち撮影の部類を除外のもと、本機から仕事のスチルカメラを銀塩から切り替えたカメラマンも想像が難しくありませんでした。
▼運用において
使ったフィーリングは現場で運用してきたF4Sや、試運転にとどまる中で感じたF5に似ており、特に持った感じや縦グリップのメインコマンドダイヤルは後者と差支え無い持ち味です。抜群にキレのあるシャッター音。これも外せません。
操作はUIのアクセスを頻繁に変えないようにするセッティングで行けば快適であり、そぎ落としたように割り切れば被写体に集中ができます。決してやることはカメラを鑑賞することではなく、『撮影をしている』というところ。
APS-Cのセンサーサイズでありながらも、比較的見やすいファインダーも好印象でした。
▼カラー設定
本機やD80等の世代の機体は
「カラー設定」の名前で、3パターンと白黒がUI内にあり、方法が独自のものとなっています。
D3・D300より実装の「ピクチャーコントロール」の前身をここで載せておこうと思います。
カラー設定は
モードⅠ:初期設定。画像調整を行わなくても肌色やグラデーションを自然に再現する。
モードⅡ:素材重視。画像編集を積極的にする場合に最適。 AdobeRGB選択時のみ選べる
モードⅢ:風景撮影に適した鮮やかな再現。モードⅠと比べると
硬調な仕上がり。
白黒:これの通り
主な項目はカラー設定のほかに、
「輪郭協調」
「諧調補正」
「色の濃さ(彩度)」
「色合い調整(±3段階)」
が設定できます。
ここではRAWで撮影した同じ画像を使って比較いたします。
★各コマ共通★
レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm F4G ED VR(24mm)
露出:1/60sec F11 ISO200
測光:マルチパターン測光
WB:5200K マゼンタ+0.5
ピント位置:7m前後
※カラー設定以外の項目は振れ幅のない「標準」とします。

モードⅠ

モードⅡ

モードⅢ

白黒
▼そのほか
「本当に必要な能力値はこれでもいい。」そう確証へ導くような使い心地とポテンシャル。
そもそも露光のプロセスは何か。F値や露光時間など、そもそも必要な値はどの程度かとなるとおのずとISO100 1/250sec F8前後をホーム位置とし、足の速い被写体や絞り込みが必要な場面に変えていく。まるで本機は銀塩とデジタルの分水嶺です。
また、モニターが確認用にすぎないのでPCでCFカードを挿して開き、展開するまでの高揚感。こちらは銀塩の感覚に近いものです。
12MPのセンサーなので引き伸ばしによる出力は、Capture NX-Dでの調整後、四切ワイドで制作した分では良好な結果を確認しました。ISO200前後の低感度域でも拡大すればノイズが見えているので、Capture NX-Dの「高画質2013」でノイズリダクションをかけるととてもヌケのよい画像に仕上がります。
レンズや時間帯などの条件に気を遣えば、A3までは出せそうなポテンシャルがあります。
昼行であればD700に近い感覚で運用できる基礎体力も見どころです。
そのほかチラシの裏はそのままこの辺に掲載。
そして、いざD850と一緒に運用してみると、
現在の運用方法としては、潔い割り切り方のできるモジュールのためなにかと無駄がないペアになりました。
本機はAPS-Cのセンサーを積んだ機体で、超望遠レンズも手持ちで行ける縦グリップが内蔵されているタイプ。昨今では絵作りを中心にしたステータスの振り方がD850と同じにならない点が大きく、引き伸ばしや高感度の高望みをしないシーンでの出番や秒間約5コマでサブカットを担当したり、D7100でも真似できないような振れる独自の仕事は山とあったのです。
これからD2Xを手にしたい方へ…いないよね
▼今後は
めぐり合わせとはこのことを申すのか、本機を購入した時のショット数は
約3万ショットでした。
筆者がまだ、ランドセルをギリギリ背負っていた時代に送り出された機体が年月を経て、この数字を維持していたと思えば、ゆっくりと使いたい場合や「ここぞ」のシーンに登板させるなど、D700と併せてベンチマークとしていきたいです。
使っていれば擦れるであろう、見た目の外傷も信じられないほどに無く、これは
なるべく丁寧に使わねば罰が当たる気もします。
「よくうちに来てくれた」と歓迎の気持ちで運用しております。
メーカーのページはこちら↓
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d2x/index.html最終更新 2020/10/08
↓『続きを読む』では、より詳しい作例を貼っております(気が向いたら増やしていきます)
続きを読む
- 2020/10/08(木) 12:22:22|
- 機材インプレ
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行ける機会があるたびに少しずつ煮詰めていたこの現場。5回か6回は行ってトライしたと思います。
ヒントは現在の国領駅の特徴を持ち込み、奥のハイライトと被写体のアンダーを使った難しいラインを出していきます。締め切らない、かと申しても緩めない。面積の調整。
被写体である都営5300形をどう取り扱うかまで、とりあえず腑に落ちるところまで。

まともなマークのカットがまだ無かったために、01Tと11Tを追いかけた後での本日のシメでした。

おまけ程度に。
スカイライナー停車駅になった青砥駅に変化がありました。目を疑う反動が収まると思えば、頼もしい乗車位置案内です。
- 2020/10/04(日) 23:29:34|
- 京成とその直通先
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成田からトンネルを越え、日中を神奈川新町で小休止。アウェイな土地を頑なに走って行くのは同い年の5311F。
ここの現場は(わかりやすそうな)変則が多く発車標は凝視でした。転戦の都合からこの列車へ飛び乗るために
120-300mm F2.8のフードは逆付けに。バッテリーグリップもパージ状態で挑みました。ここが旗艦機D850のポテンシャルと思いたいです。
- 2020/10/02(金) 23:05:43|
- 京成とその直通先
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