年間投資計画をこのたび実行させる運びとなりました。

SIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM | Sports です。
主にD850でちょっと使ったインプレを書いていきます。

開放で行ってみましょう。ワイド側の120mmです

こちらは300mm側。ここまでをF2.8でカバーします。

240mm付近で開放

季節柄、晴天でかつ順光に恵まれなかったためこちらを使います。F7.1で170mm付近のものです。

冬の晴天下で運用してきました。145mmでF5.6時のものです。
現場到着1本目、慣れない土地で非電化かつアウトカーブの条件だったため、D850の3Dトラッキングで追従させています。

だいぶ恒例になりつつあります、暗い時間帯で敢えて強光源を入れる作例です。こちらは開放

こちらはF3.5ので撮影したもの

×1.2クロップになりますが別の光源も

D700で3コマいきます。F4にて

こちらはF4.5

手ぶれ補正を使ってF16。140mm付近のもので、1/30secで切っています。
感想に入ります
★どんな玉か 絵のテイストはシグマ特有の掴みを持ちつつも、高画素機に装着されることを想定したヌケに目がいきます。体感として開放から顕著で惜しみない結果を出し、絞り込んでも出される絵は概ね一定のため、レンズごとのF値による心配を回避できる点が好感です。
膨大なデータ(当ブログ比)をこなしてきたD700での所見では、コントラスト、彩度ともに目立った誇張は見受けられず、安定した結果を確認しています。
★利便性コンセプトは
サンニッパをズーム化させたもの。
筆者の感覚では『引きが得られるサンニッパ』で、それまで80-200/2.8Dを出していた現場でも本レンズが出動し、細かいニーズに手がとどく仕様になっています。投入した個体は、自重でズームリングやピントリングが回ることなくしっかりと留まり、下手な引っ掛かりがないところも評価です。
便利さとはトレードオフでレンズ単体の重量が約3.4kgと、扱ってきた6種類のサンニッパとは比較にならない重さではあるものの、使っているうちに重さは納得に持っていく方向へは苦になりませんでした。
長くはないレンジでサンニッパ級の重量がある
Ai-S200mm F2。似た仕事内容をカバーする
SIGMA 100-300mm F4。この他なにかと足して数を割ったものと考えると個人の解釈では大いに合点がいくものです。
重心のバランスは偏りのないものです。掴んで持ち運びができる程度に長い三脚座を手首の付け根付近で支え、外観のくびれに中指、そのほかは成り行きで保ちます。これで行く場合、若干心もとないフィーリングだったため、筆者は仕掛けられると判断できた場合はレンズフードを順手でつかむように支える、ソードグリップで対応する場合があります。こちらの呼称は筆者が勝手に呼んでいるだけ。
フードの取り付け箇所も溝が設けられており、前玉の枠へ宛がい、任意の方向へ回すと途中で留まって差し込める仕様です。ここは大変おどろきました。
★取り回し 2021/01/03追記
前述のとおり、サンニッパをズームにしたものであり、決して70-200mmが肥大化したわけではありません。全長はレンズだけで30cmはあったと思います。前玉も105mmと大きい部類です。
何が問題かと云えば、細かい隙間や狭い場所での運用は不向きであることです。例えば高さ違いの手すりから生まれる隙間から狙わねばならない場合があります。隙間に入らないほか、ぶつかって中へ入れられない状況は大きなレンズのため平気で発生します。
ほかにも
ふらふら持ち歩けない点も一つ。でかすぎるために、前回の とさでん交通での回では、
完全に足をとめてまで欲しいシーンに限定した運用方法をとり、大部分は
Ai AF Zoom-Nikkor 80-200mm F2.8D ED 〈NEW〉でレンズフードを外した状態にして近寄れないシーンを抑えていました。

時刻は6時55分で冬至を目の前にした高知の朝。
絞りは開放。押し込みを稼ぐために×1.2クロップで狙っています。
このほか、足場が不安定な場所やよじ登って三点支持状態で撮影する場合は、レンズ単体の重量とマウントの考慮を優先しなければならず、70-200mmクラスにテレコンバーター等の組み合わせが正直申し上げて軍配となります。総括して小回りは利きません。
本レンズは丸きり別系統で使うレンズであることを忘れないでください。その辺にある適当なサンニッパよりも重量がありますため、どうしても軽量なデジカメなどの援護が必要な場合やシーンに得手不得手が出てしまいます。
★AFまわり筆者の撮影環境では、常に動体を追っています。車体のコントラスト。相対になる被写体の速さ。時間帯。それは目まぐるしく変わる場合もあり、どのAFモードでいけばよいのか、置きピンで仕掛けるのも辞さないか、悩むものです。どんなAF搭載レンズでも飽きて弱音を吐くほどの試運転を繰り返し、本番に臨むのです。
D850とのマッチングで現時点での回答は『
昼行ならだいたい拾う。』です。こちらは特定の被写体を専門に追いかけているため真っ黒な動体だけ未調査としたものです。鉄道写真においては被写体の動きは線形の把握と密度計算が出来さえすれば一定です。これを踏んで、筆者はダイナミックAF21点、72点、グループエリアAFの3つを使い分けることが多いです。3Dトラッキングはここ最近使い始めました。理由といたしましては、追っかけをカメラ側が勝手に止めてしまった場合にリカバリーはできるかに尽きます。
(2021/01/03 追記)日没後の駅の灯りで、ホームへ進入し停車しようとする京成3000形電車を追従できる事象を確認。車体色が視認できる位置から追従はスタート。5発連写で5発ともピントが来ていました。
夜間の撮影は光源とEV値とで三者協議を行い
置きピンが無難です。三脚据え付けが叶う状態では、ライブビューとMFでピークを見極めるなど、いままでやって来たことの応用に務める必要があります。あらかじめ、AFで拾える限界は調べておく必要はございます。


※改札外、並行する公道から
この「引き」がフットワークをくれます。
★そのほか
SIGMAのホームページには、「撮り手の要求にダイレクトに応える」として『鉄道』が名指しで挙げられています。さぞや方面に特化させたレンズなのであろうと、大学時代から気にしていた玉でした。卒業後も「今は無理とて、いずれ、持つような時がくるであろう」と、タイムアップとともに引き上げてきた余韻が残る北陸の案件からすぐ、まだ想像もできないような遠い場所を意識していました。
カタログやホームページではその程度で、実際は使わないと見えるものも見えません。
時は7年ほど流れ、このたび得た結果としては『30万円程度出してもこの結果を喜ぶ』か、『30万円程度だしてこれを善しとしないか』
鉄道は不眠不休で今もどこかで動いています。いかなる場合や時間帯であっても、さすがにこれでは不安でしかありません。そして筆者の考える鉄道写真と、メーカーが謳った『鉄道』には、大きな認識のズレがあるように思えます。
今回は撮影したい被写体が明確で、今年度の夏至までに完熟と試運転を終了させるプランであったために、中古の良個体で入手致しました。けれども、「
新品で手に入れなくてよかった」が最大の本音です。
★フード買い替え 2020/10/04
「いざ、撮影」と意気込んでD850に本レンズを取り付けようと鞄から出して支度をしたら、純正フード LH1220-01の止めネジが抜けて固定が不可能に。まことに冷たい表現でありますが、撮影において使えないものを持ち運ぶのは筆者としては滑稽であり、撮影中はわずかでも憤りが拭えませんでした。道中で新品購入を決裁し、移動中に新宿の某店へ発注しました。
直して使う点も考えたものの、ネジを失った影響が一つ、それから再発の懸念がもう一つ。この撮影を行っている以上は周りの人間、もしくは列車の運行に支障が及ぶ可能性が考えられるために、即座に却下としました。次はありません。これをどうとらえるかは想像に困らないものと考えます。
いざ新品を開封。本音を申し上げれば4500円でも高額と思える作りと思います。特に先端のゴムはすぐにホーム位置からはがれる仕様となっており、几帳面な筆者としては戻す手間がとても無駄です。
★また壊れやがった 2021/01/01
年が明けてもいつも通り、この日もそつなく仕事を全し過不足ない結果を出す本レンズでありました。いざ作戦終了と同時に鞄へ格納する準備を始め、フードを逆付けして仕舞おうとすると、なぜかフードがロックできない状態へ。現場を離れてから安全な場所で事態をよく見てみたら、前玉側と密着させてロックをするであろうパーツが脱落しており、これの要因でフードとレンズとでロックができない状態となっていました。脱落とはずいぶんと横柄なレンズアクセサリーであります。『撮影者本位の使い勝手』とは?
『悪条件での撮影にも対応、安心かつ確実な撮影を支えるタフネス』とは、宣伝はもはや原価のかからないタダ同然の文句です。それ以前の問題で、どこを見てモノを申しているのでしょうか。新品であるならば30万は支払わなければならない代物の関連製品にしては
品のない壊れ方であり無様であります。運用の都合上、フードとてなくてはならないものであり、また1万円弱をとばして代替品を手に入れなければならない状況ともなると、本レンズは
誰かに勧めることができるレンズではありません。しかもモデルチェンジは何回行われたか。
果たして開発者にまともな人間は居たのでしょうか。常に、扱い者が見続けなければならないものはカメラでも、レンズでも、(百歩譲って)時間でもなく、被写体であるはずです。ましてや、筆者のような扱い方をする現場では、時間よりも撮影テンポが際立つ状況が多々あり、このような無意識のうちに機能が制限されてしまう状況は最前線を護る機材群である以上は絶対に許されたものではありません。本当に暖かい時季のE721系だけを撮影して製品紹介ページに『撮り手の要求にダイレクトに応える高い運動性能。』と銘打ち、都合よく「鉄道」を高らかに例として挙げ、もし社内においてこの製品に対して満足をしているのであれば、それは地域と被写体をナメすぎてはいないでしょうか。 至極簡単な話、たかがこの程度の運用で機能に1%でも支障が出る可能性が極めて高い事態が悪いとこの場で申しあげております。
マスコンが戻らずタイプがとまりませんのでこの辺にしておきます(心のATS作動)
こんな出来損ないのフードのために、メガネの買い替えがまた遅れてしまいそうです。
こちらに当該フードの詳しい情報を書きました。もしお時間がございましたら併せてご覧ください。
なお、このフード2代目は2ヶ月程度で破損しました。
鉄道のみならず、モータースポーツや航空機など、タイトな状況や極限な状態で撮影され瞬間を絶えず見続け求めているユーザーのインプレッションを知りたくなりました。 と申すべきか、もっと実直な声が知りたい。
・ここでおしらせ
本レンズの最終ピースとしてテレコンバーターも併せて導入いたしました。こちらは
別枠記事で扱います。
F値ごとの変化はこちらから
・
120mm・
200mm・
300mmメーカーのページはこちら↓
https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/product/sports/s_120_300_28/最後にちょっと諸元
120-300mm F2.8 DG OS HSM | Sports
最短:1.5m-2.5m
最大撮影倍率: 1:8.1(200mm時)
絞り開放:F2.8
レンズ構成:18郡23枚(保護ガラス1枚)
絞りばね枚数:9枚(円形絞り)
レンズフード:LH1220-01
フィルター径:105mm
重量(g):3390g
※数値はシグマSAマウントによるもの。
INDEXページはこちら↓
http://untenteisya.blog.fc2.com/blog-category-22.html最終更新 2021/01/09
- 2020/07/04(土) 23:03:28|
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