2020年1発目 満を持して。

Ai AF Nikkor 300mm F2.8S(IF)〈NEW〉 です。1年前に購入した超望遠レンズになります。

まずはD4で撮影したものから。
1段絞ったF4時の画面。引きでも浅い被写界深度が目立ちます。

絞り開放、手前ぼけの画面です。ピント位置からは60m~70m程度の距離とおもいます。

10mもないピント位置より。F2.8

こちらはF4です。

密集している場所での近寄った絵は苦手のようです。

4コマ続けていきます。F2.8

F4

F5.6

F11
これの前後が描写のピークのように思えます。
開放より遠慮なく使える頼もしい描写です。光量落ちも含めると安定はF5.6まで絞ると安心できます。

ここから下はD850でのレビューです。
F5.6時。京急の赤い塗装と線を惜しみなく描いています。

F7.1。ステンレス車でもう1カット。

F値の効果で雨の日でも1/8000secがISO8000で賄えます。

F2.8開放で、強い光源でのシーン。
初めて見るタイプのハレーション、ゴーストです。

光源を直撃で入れずに逆光向きでの撮影シーン。F4で5000Kです。

300mmはF値をつかいながら、「手前」と「奥」を多く抱えることができます。ほかの超望遠レンズにない特徴です。
▼感想へ入ります
★ファーストインプレ・持ったフィーリングなど
未レビューや味見も含めれば本レンズは6本目のサンニッパになります。絞りリングを備え、銀塩機から最新のデジタル機まで、Fマウントであれば機体を選ばない貴重なモデルです。
扱い慣れてしまったところもございますが、持った感触は「スッと持てるスタンダードな重さ」です。手持ちでまずこれが重たいと感じてしまうのならば、少し慣らし運転をしながら鍛える必要性が出てまいります。
購入してすぐ、D4とのマッチングでのファーストインプレは「きついなこの玉、ニューニッコールかよ」で、極度のコントラストの出迎えが印象でした。とにかくねじ伏せてくるような色使い。被写体を選ぶタイプかもしれないと思いました。
D850とでは解像力でなにか気にしたことは現在ではなく、夜間のほか、常用感度内のISO64で日中から浅い被写界深度を多用するなど、開放から容赦なく使っています。
AFの信ぴょう性は確保がなされ昼行であれば概ね拾ってくれます。
さすがに0.5秒以下の早さや、夜間の素早い対応が求められる動体、本命で使うかどうしようか迷った場合など、少しでも躊躇いがある場合は使わずに
置きピンも確実に視野です。これは幾度も試運転をし、レンズとの信用を構築しなければならない部分であります。結果を経てモノのせいにすることは叶いません。1つの選択で掛け替えのない大事なものを振り回すことになります。
★大きさ比較
ここで本レンズ格納時の大きさをみてみます。

左から順に
◇ 本レンズ
◇
Ai AF Zoom-Nikkor 80-200mm F2.8D ED 〈NEW〉(フード格納時)
◇
EF35-350mm F3.5-5.6L USMとEOS5D MarkⅡ
◇ EF28-70mm F2.8L USMとEOS-1D Mark IV
口径のあるサンニッパ系は、格納時の全長が70-200mm F2.8系統ほどの長さかすこし足が出る程度の長さになります。
太さがあるので大き目のカメラバッグで運用すると無難です。筆者はマンフロットのバンブルビー220等に詰めて運用しています。
★左手の使い様
AFのついたサンニッパにつき、今まで取り入れなかった方法を一つこちらで取上げます。
こちらは主にAiAF80-200mm F2.8D NEWで扱っていたやり方で、右手は通常通り、左手はズームリングの操作を終えた状態で順手でレンズフード付近を持ちます。ひとまずはこの状態で先端からカメラ本体で遊びが殆どなくなります。

画像のように先日、銃器で似たやり方で「ソードグリップ」という言葉を目にして思い出したように本レンズでも実践しました。逆手でヘリコイド付近をもつ方法よりは、ねじ込みフードのネジを薬指にかけて持つことにで左手が遊ばなくなりました。こちらが慣れれば扱いやすく、1、2度ズレたら破綻するような精度が必要な場面では、ブレを抑える効果が確認でき、集中力に変えることができました。
しかしながら弱点も抱えており、左腕を伸ばすようにして持った上、本レンズの重量を食い止めるように支えなければならない点は、長時間のホールドが少々厳しくなる事実につながります。得られる恩恵がすぐに判ったので、慣れるのは容易で早かったです。
★夜間の鉄道写真
FXフォーマットの高感度耐性がある利点を活かし、夜間を走行する鉄道のシーンを撮影できるようになりました。特に、編成写真で扱うノウハウの延長ともなる走行シーンとなれば、ヘッドライトによる強光源の問題が出てまいります。追い打ちをかけるようにハイビームで場面に出くわす事態すらあり得ます。ハレーションを味方につけて露出を半段稼ぐ作戦を試みたり、面を避けてミドルレンジに切り替えて振ってみたり、欲に対しては壁を越えていくような行為とも考えます。
しかし、運用、時間帯、被写体の特徴を鑑みたとき、避けて通れない場合もあります。時刻は迫る中、撮り手が持つのは今あるだけの力とリソースがロクな武器になります。

F2.8(開放時)

F3.2(開放から0.3EV絞り込んだもの)
※どちらもD700 ホワイトバランスは2コマとも 4450K マゼンタ+1.5段

F2.8(開放)

F4(開放から1段)
※どちらもD850 同じ列車で3900K マゼンタ+2段
左下の、光源が当たっているバラスト付近に注目です。F値だけを動かしたので露出1段分の差がでています。
AiAF-Sサンニッパや、シグマのサンニッパを運用していた2013年度では理屈がまずわからず、何年かにわたりちょくちょく使わせていただいた
Ai-Sサンニッパでは絞りリングによる1段刻みでこれに触れる機会はありません。
今回はここが最大の気づきで、筆者としても「何故いままでこれに気づけなかったのだ」と少々どころか落ち込みました。これでは機体とレンズに命が預けられません。
次への大きな布石が見つかったようにも思います。

重心は極端ではありませんが、足下に立てて置く際は目を離さないように注意です。
最後にちょっと諸元
Ai AF Nikkor 300mm F2.8S(IF)〈NEW〉
最短:3m(フォーカスリミッター付)
絞り開放:F2.8
レンズ構成:6郡8枚(保護ガラス1枚)
絞りばね枚数:9枚
レンズフード:HE-6
フィルター径:39mm(内蔵式)
重量(g):2700g
情報の一部は、 双葉社 季刊クラシックカメラ特別号ニコンF100+ニッコールレンズ 1999年10月06日発行 による
INDEXページはこちら↓
http://untenteisya.blog.fc2.com/blog-category-22.html最終更新 2020/02/15
- 2020/01/22(水) 22:58:59|
- レンズの話題
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発売は2017年09月08日。Nikonの創立100周年の節目にリリースされた機体です。
45.75MPのセンサーを積むD800シリーズの3代目で、常用感度はISO64~25600。減感でISO32、拡張ではISO102400まで設定が可能です。
前作のD810よりも連写性能の向上が加えられ、本体のみで秒間約7コマ、EN-EL18系統のバッテリーとバッテリーグリップMB-D18との組み合わせでは秒間約9コマの数字を実現しています。
運用開始からレビューまで日が浅いため、書きかけやふくらましが不十分な箇所がございます。気づいたら増やしていきますので優しい心でごらんくださいませ。
▼投入経緯
問題点であったのが当時在籍していたD4・D700・D7100の3台のうち、制約上において1台だけを現場へ持っていったとしたとき各々が弱点を抱えていたことにあります。ざっと以下の通り。
・D4では大がかりな撮影でなければ大きさでデッドウエイト。荷物をケチると派遣しないケースが多々ある。
・D700はバッテリーグリップ増解結で柔軟性があり最も筆者が扱い慣れているものの、望遠系のチョイスで難。
・D7100は第一に高感度が。重ねてDX用の標準レンズを用意しないと、広角側で攻め込まれた時に対応が遅れる可能性がある。
もしも、携行していた機体で緊急事態が発生した場合はそれでやらねばなりません。割り切るという行為は無論とせずやれるものの、「この機体ではアレができない」のストレスは完全に払しょくができず少し嫌気になります。特に、撮影現場で持参レンズと現場が噛み合わず、美味しいところを逃してしまうところ。
こうして昨今まで看過していたことも含めいろいろな気づきがあり、急激にカジ取りした結果が本機を投入を決意させ、発案から2ヶ月程度の時間を要しました。
「移動が多い上、荷物の制約が常にあり、望遠レンズを多く使い、かつ望むらくはF値の明るい玉」
となったとき、D7100で運用試験をしていた「×1.3クロップ」と、借りて試用したD800などで得た高画素機の実用性のチェックへ入りました。
運用面においても参考にしたものがあります。35mm一眼レフが主流になるまえの報道陣が使っていたスピードグラフィックの運用のしかたで、『おおまかで抑えて後で要所をトリミングする』というものがあったと言伝で聞いたことがあります。
35判(ライカ判)のフォーマットと4×5のフォーマットでは情報量におおきな差があり、これまでも実習でつかったエボニーやトヨフィールドとニッコールの組み合わせでその効果を見比べ、高画素機で活かせないか考え付きました。
「これだ。FXフォーマットは使っていようと、そこまで自分は拘っていない。それでも持ち続けようとするのはレンズに帰結している。
有り余る力で揉み消せるほど器用なことが出来ないならこれが
現時点の回答だ。」
こうして2019年 8月1日。資金の目途をへて本機はやってまいりました。
▼運用において(2020/10/09 更新)
★ファーストインプレ
手に入れる前より家電量販店で再三チェックしたものとしてグリップの掘りがあります。申し分なく、D700とは比較にならない握り易さです。こういった細かい点は他にも、プレビューボタンとFnボタンの位置、サブセレクターの使い勝手、グリップをホーム位置で握った上でISOボタン・録画ボタンに乗る右手人差し指のかかり、レリーズボタンの判定押し量と必要な力量...。
チルト液晶がD700・D4と続いて初実装。それゆえかD5000を運用していた高校生の頃の感覚を呼び戻す副産物を得ました。
大きさは扱い慣れたD700。D4へ少し近寄った高速連写。要約いたしますと今までの経験を具体化した「ぜんぶいり」の機体でした。
運用から日が浅いため感じたこと・確認事項など。運用していくにつれ、こちらは考えがころころ変わりそうなので箇条書きにて以下の通り。
▼クロップを多用し即応性を急激に引き上げたこちらがもっとも欲しかったものです。
これを追記している最近の例で申し上げますと、
築堤を70km/h程度で加速中の対象(18m車8連程度の電車)を視認。AF-S24-120/4で50mm付近、引きで抑え、そのままクロップでテレ端(180mm相当)までもっていき前面をアップで撮影する。
録画ボタンを「撮像範囲」に割り当てると、押しながらダイヤルを回すだけで即座な焦点距離の変更が可能になるのです。重ね、要するにはトリミングをしているため、被写界深度の掴み、離しにも応用できる点が気に入っています。
2台のスチルカメラを用意し、あらかじめ露出を決めておくことが可能なら御の字です。しかし、常時これは叶うものでしょうか。
(2021/02/27 追記)
1年以上の運用の結果、筆者の扱いでもっとも顕著だったのは、収差のカバーで運用する点がありました。
特に
SIGMA 120-300/2.8sportsと
AF-S NIKKOR 24-120mm F4G ED VRの2本。現作戦を支える主力レンズの2本です。
120-300/2.8は他社製レンズにつき「自動ゆがみ補正」に対応しておらず、テレ側300mmでの歪曲収差は昼行では見るに堪えない場合があるため、既に予め×1.2クロップで使っていることが多いです。無論こちらは、イトマキによる中央部分を見せる効果としても使え、周辺部に線を入れないような暗所の撮影でもクロップを使用しないケースがあります。
24-120/4は単純で、レンズ設計に無理があるのか、周辺まで結像しないケースや絞り込んでも減光が改善されないなど顕著です。モデルチェンジを2度やってこの結果でありますから、筆者としても「この玉はどんなに頑張っても80点しか出ない」結論に至り、残りの20点を本機でカバーするのです。故の、×1.2クロップの存在が光るのです。
▼バッテリーグリップ増解結による小回りの段階選択・取り回しこちらはD700とコンセプトは同じであり、本機で条件をクリアした状態でバッテリーグリップ MB-D18を装着すると、秒間約7コマから約9コマ連写へスピードアップが実現します。これはD3・D3Sと同程度の連写速度になります。シャッター音もそれに伴い変化し、ファインダー像の消失時間も少し短くなっているように思えます。
一方で、バッテリーグリップを使わなくとも、秒7コマでの連写速度が出せるために、単独での運用で荷物の削減もさせつつ動体を撮影するための十分な速さをより確保しています。
(2020/10/09 加筆)
特に2019年10月以降、都営地下鉄5300形電車の撮影が本格化し、末端で申せば成田空港から三崎口まで、ほぼすべての線区で顔を出す大がかりな被写体です。新車に置き換えているために固定の運用は一切なく、同じ場所を同じ時間に行っても撮影できないために柔軟な即応性と発想が求められます。
先日の某快特停車駅では、撮影した列車に乗り込んで乗り継ぎを行わなければならず、
SIGMA 120-300mm F2.8 Sportsのフードを格納時の逆付けに、さらにはMB-D18は取り外して勝負。切り位置まで来たらすかさず指定した小玉レンズに換装させ、移動可能の状態を停車までに行う場面がありました。
▼面倒になったらオートでもいいかと思えるWBの正確さ(2020/10/09 更新)
本機の投入以降、各オートを使用する機会が格段に増えました。実装のオート系統は以下の通り。
AUTO0:白を優先する。主に駅ホームや複数ある電灯のアベレージ出しに貢献
AUTO1:標準。 時間がないときや手が回らないほど余裕がないときに使用する。
AUTO2:電球色を残す。
これを使う暇があるなら目測で「色温度設定」から作ったほうが早く、逆にどう使えばいいか不透明。項目そのものが邪魔自然光オート:要するに太陽光モードがもう少しだけ仕事するようになったやつ。ケルビン値がカメラ内情報に載らないため不便であり緊急用としてが但し書き。
1年以上見てきた所見は日中の曇天~降雨のシーンで転ぶ場合あり。モニターの設定だけはあらかじめ確認するなどの対策が必要で、いまだ人の目が最も頼れるのが実情。しかしよくここまで仕上げたと思える満足度は体感で認めざるを得ず、仕事の削減が叶ったのは事実でした。
▼スマートフォンやタブレットに画像を送信できるSnapBridgeが便利(2020/10/09 更新)
身内と画像をシェアできる利便性に富んだ機能です。筆者はBluetooth接続で使う場合が多いです。
カメラ側のバッテリー残量目盛りが1になると端末側にも情報が行き、送信ができなくなる点は注意です。バッテリーはニーズに応じて複数個の携帯が理想です。
▼AFの進化に伴い信憑性の向上(特に中央1点と両端) (2021/02/27 追記) 夜間、駅の灯りに照らされ反射するバラストやレールでも置きピンがよりしやすくなりました。明るさとしてはISO12800で1/200を以っても適正に届かないであろう場所です。夜間の撮影はかなりの頻度があるものの、あまり気にならなかったのでだいたい拾うという認識でおります。
・
・バッファは14bitRAWとLサイズ画質優先JPEGで連写した場合、復帰は早く気にはならないが170MB/sのSDカードでは詰まる場合がある。
・DK-19を展開するとメガネをしたままでは四隅がケラれる。
▼常用最低感度 ISO64はわりと使う。(2021/02/27 追記)
流し撮りの場面でNDフィルターを使用しなくても機会を多く得ることができました。筆者はフィルターの着脱ほど面倒な行為が好きではなく、それを付ける時間はどれほど要するのか、だったら露出があと何段分低速シャッターへ振れるのか現場を凝視する時間にしたいものです。フィルターを見るのは電気屋だけで結構です。そんなことよりも被写体の速度を注視できる最低感度の存在は大変うれしく、減感まで進めればISO32相当まで落とすことも可能です。
このほか看板コーナーであります、
レンズの話題シリーズでの取材において、日中の浅い被写界深度の撮影では、大変重宝いたしております。とくに
NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2では、開放のF値がF1.2と大変明るいものです。もしD700であれば常用ISO200が最低値のために諦めてしまう状態でも、本機であればNDフィルターを使用せずとも1/8000secまでのシャッタースピードでも賄えます。素で出来てしまうのです。
★懸念点
いちばんの懸念は、本機の速さとやれることに慣れてしまい、2台もちでいく際の役割分担を予めハッキリ取り決める必要があるというところ。また1台で概ね駆けずり回ることが出来てしまうために、いつまで持たせることが可能か心配である点もあります。どこかの記事で見た「2台ほしい」という記述はこのことでしょうか。
かなり間(ま)を考えなくてはならない点があったりします。ここは慣れ。

高架化工事が進む京成立石駅を見つめる筆者のD850
☆これからD850を手にしたい方へ☆
まずは一定期間を現場で扱ってきた2台から。
▽D700から乗換える場合
筆者を知る読者の中ではもっとも気になる部分ではないでしょうか。
D700は、発売から本機の登場まで9年の歳月が経過しました。その間は純粋にコンセプトを受け継いだ機体が登場することなく、地団駄の方もいらっしゃったと思います。筆者も致し方なしにD4へ主力を移したところがあります。
筆者の考え方は、純粋に画素数を抑えてフィーリングが欲しい方は一桁機が選択肢。
本機へ行く場合は『
運用システムをD700からなるべく変えないで新しい筐体と+αがほしい方向け』と考えます。
たいへん気にするであろう画素数においては、RAWデータのサイズ変更が可能になったために、45.4MPのフルパワーのほか、12bitロスレス圧縮RAW限定で25.6MPと11.4MPへ
パワーダウンも可能となりました。
D800とD810に見向きでもなかったのはファイルサイズの懸念であり、チラシの裏にプリントしても憚られるような、至極どうでもいいカットを36.3MPのRAWデータで毎度残すような真似をしなくていい点が非情にも好感です。いちいちRAW記録をON/OFFに切り替える作業も、戻し忘れによる撮り逃しで泣くリスクを考えればシャク。筆者としてもここの自由度が投入の敷居をおおいに低くする結果となりました。
諸元で現れない2台の差としては在来線特急(ブレーキング)と新幹線(アクセルワーク)の差。外身はほぼ一緒で中身が別物と申し上げておきます。
完全に慣れ切った玄人向けのような仕様の差を感じてしまいます。高感度もISO12800程度までは扱えるため1段と少しは上、屋外での稼働時間にも差が生じます。
こちらも見極める点として、撮影から画面へすぐ再生させるのにD850のほうが待たされてしまうところは、D700の分と一つだけ確認しました。(2台とも14bit非圧縮RAW+画質優先LサイズJPEGで比較)
どんなデジタルカメラでも当てはまりますが、最低でも「露光時間の原理や実用に限った上でのレンズのアレコレ」、「被写界深度の読み方とピントの作り方」、「絵のヌケの読み方」 だけ頭に入れておけば怖くありません。高画素機故にシビアになりますが、時間を割き、落ち着いて知ることを覚えていれば気づきが返ってきます。
2台の大きさはD850がひと周り大きいか程度です。乗換えや主力交代でのカメラとしての「入りやすさ」では取っつきやすいモデル同士です。
▽D4から乗換える場合
鉄道を撮るにおいては秒11コマ連写は命です。置換えは避け、残して買い増しがもっともベストです。
EN-EL18系統の充電池と、バッテリーチャージャーのMH-26はMB-D18の投入を視野にしている場合は流用ができます。D4は耐久性に優れるため予備機としても、ここぞという時は真打にもなれる機体でもあります。
本音といたしましては『力のD4』に対し、『技の本機(D700もこの部類)』であると考え付きました。D850とて条件がそろうとだせる秒間9コマがあったとしてもコンセプトはまるで違い、性格や体質は別なのです。
筆者は緑で懲りたので掃きました。
▽ゼロスタートで投入する場合
発売が10年は経過した機体でD3XやEOS5D MarkⅡなど、20MP越えの機体を見た時、本機の持ったポテンシャルで送れる選手生命は長い期間があるものと考えます。作業環境、運用環境と相談し、一考かもしれません。
購入してしまった際は説明書を必ず読み、パソコン環境とも相談しながらゆっくり慣れていくプランを強くおすすめ致します。
▼筆者の答え (※煮詰め中につき適宜みえ方が変わります。話半分で!!)
D850はD700から切り離して得た筐体に新しい次元をもって進化してきた機体です。
2020年10月現在において、一眼レフカメラで45MPのセンサーを搭載しながら秒間9コマ連写で回すことが可能な唯一な機体として、現行製品のなかにその名前があります。筆者が扱ってきたD4とも同様に、本機の仕事上の役割では代わりはおらず、作戦失敗の原因はヒューマンエラーか、撮り手の力では覆すことのできない天候の引きや瞬間のめぐり合わせがあります。
D4では両方ともだいたい均等くらいで当たる問題でありましたが、本機では前者のヒューマンエラーの比重が際立ちます。投入して半年はFX、×1.2クロップ、DXクロップの3枠の取り扱いに対し、被写体を目の前にして有用な選択を見誤る点。必ずFXフォーマットで撮影しなければならない事態はないために、また、レンズの選択においては緒収差のカバーをさせる点でも有用です。知り得ただけ作戦が大幅に展開できる柔軟性が仇となり、膨大な選択肢を頭で捌ききれずに決定的瞬間と目の前の事態を逃す例。
多機能なほど人間が置いて行かれる。しかし、本機のポテンシャルを使わねば領域に手が届かず。
1年と少し運用していますが、本機は筆者に伸びしろを気づかせようとしているのか、本性は未だ深く眠るがごとく封印を解こうとしません。
(2020/10/09 更新)
なんとも「乗れてない」日を経験いたしました。直近のフィードバックで必要なルーチンは賄い切れており、レンズも支障なく動き、筆者も概ね平常通りのコンディション。なのに目的から必ず外れた結果を繰り返し、32GBのXQDカードを3時間足らずで満杯にして帰ってきました。これが地元でよかったと思えるあたりが救いでした。
地に足がついていない。つくづく、筆者の扱い方では力任せにぶった切るようなやり方(D4)でなく、健脚に任せてチマチマ当てる方法(リコーGRなど)も違い、、、
最適解をもって弱点を射抜く方法と実感します。無論D700でもこの芸当はできず、これは本機独自の立ち回り方で、知識を武器に、過不足を作らずに、冷静に考え、五感を使い回答を拾い上げる。 絶対にこれの真価はどこかにあるはずです。
▽今後は・最後に
投入時からの構想としては、もしD850を主力から下ろすことになったとしても、秒7コマ連写やクロップによる画素数の余裕を活かし、予備機や1.2クロップメインで扱うなどのデチューンも視野にしております。京急2000形・2100形がヒントになりました。
2020年10月09日現在、中古相場は24~27万円程度です。リリース時期も見ると現行品として新品へ行く手段もありです。


最後にこの1カットを。200km/h以上でている 上り『のぞみ』から遠景を狙ったものです。
上が概ね100%等倍のものを3:2比でトリミングしたもので、下が撮影時の無調整。Lサイズ14bit非圧縮RAWで記録。
レンズは
AF-S NIKKOR 24-120mm F4G ED VRを使用。情報量の参考に。
本機はD5000から数えて4台目となる新たな旗艦機として最前線での活躍を予定しております。D4とトレードオフになった部分は、他で補填しつつ、クロップの即応性とモジュールの更新で得られた信憑性とで、露光時間の向こう岸を見続けてまいります。
↓メーカーのページはこちら↓
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d850/最終更新 2021/02/27
↓『続きを読む』では、より詳しい作例を貼っております(気が向いたら増えていきます)
続きを読む
- 2020/01/10(金) 22:59:57|
- 機材インプレ
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