今回はこれの話題
SIGMA 120-300/2.8sportsのフードである「LH1220-01」の3代目が届いたため、個人的な考えにおいてこれは重大インシデントなので、再発防止のためにも記事にしておきます。


1コマ目が新品。2コマ目が発生した当該です。画像は取り付け時を想定して一杯にツマミを締めた状態になっています。
単刀直入に、事態としては年明け早々からレンズ本体とを掴むこの部品が脱落し、
脱着が不可能になりました。
そもそもねじ込み式フードは外側のツマミでレンズ本体側を掴むようにして取り付けるものです。SIGMA120-300/2.8sportsはこの脱落したパーツが掴みの役割を担っています。

ちなみにレンズ側の取り付け部がこちら。察しのいい方はお判りいただけますように、フードをあてがって回すと、1か所だけあるネジの部分で必ず止まる仕様になっています。
この溝にトルクは無く、ちょっとでも振り回していれば落としてしまいます。
飽くまで正しく取り付けをしやすくするための機構であり、ネジを毎度同じ位置に据え付けることで、行きつく先はホールドの選択肢として考えられているものなのでしょうか。意図が読めるようで読めません。

最後にフード外側のツマミ部分。
このフードは2度、新品購入をしています。2度目の購入ではこちらの小ネジが脱落し、ツマミとその取り付け部品が諸々外れる惨事を起こしています。幸い、けが人と列車の運行に支障はありませんでした。
フードのためにレンズをレビューしているつもりは微塵もございませんし、フードのためにしかと撮るべく行動しているつもりも一切ございません。
最後に申し上げます。
この一文でメーカーは申し上げませんが人に酷評を書かせないでいただきたい。
今の撮影案件と財力で、まともな選択肢はこれだけなので頼むから仕事して。
- 2021/01/09(土) 23:33:14|
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今回はNikon D2Xを取り上げます。
本機の発売は2005年2月25日。
12.4MPのCMOSセンサーを搭載した高画素タイプで、レリーズタイムラグは0.037秒。D1Xの後継モデルです。
▼投入経緯
投入日は2020年8月16日。
高校時代。大学入試の願書の証明写真を撮った業者が、本機で撮影していたのがきっかけで思い出が1つ。
本機は2009年ごろの最初の一眼レフ探しの際にも中古価格で10万円はざらにつく値札を下げており、大学生を経ても、「大して跳びぬけた物も無いのにいまだ高いカメラ」としての位置づけでいました。
Finepix S3pro、D60、D200、、、当初は「この辺りでゆっくり使えて絵にこだわりを持てる枠が欲しい」として、D80を運用した時期もありましたが違う回答となって手放し。以後も解消することなくこの枠は燻り続けます。ちなみに本機の相場は2018年あたりでもそれなりにする機種であり、机上スペックでの費用対効果を考えた場合では遠い存在でありました。
なぜか諦めることができず、この度、出物の値段に納得がいったためにD700とバッテリーを共用できるメリットを活かし、本機が何らかの事情で使用できなくなったとしても電池を活かせる資産として投入が固まりました。
そう、目的はバッテリー。投入コストの値札からバッテリーの値段を差し引いても十分楽しむことが可能と踏んだ筆者は、あきらめが半分つく買い物として、パッシブセーフティーを設けるプランとしました。品物の状態と在庫を予習してから、新宿の某店で出していただくと……。
「見た目がきれいだ」
モニターは特有のくもりがあるものの、こちらは他のD700や程度のかなりひどいD3などで再三見せつけられているために殆ど気になるものではありませんでした。
無事に確保するや否や、大佐倉~京成酒々井の田んぼで試運転を敢行し、一桁機特有のフィーリングがひしひしと。「これ銀塩だ」と思わせる操作まわりが印象的でした。
★15年前のカメラ
こちらは概ね憶測で述べます。
15年前は2005年。首都圏ではあの103系がまだ常磐線で爆走していた時代でもあります。忘れてはならないのは東海道本線のブルートレインも現役バリバリで、毎日のように発着があったこと。
当時のNikonのデジタル一眼レフカメラでシステムを組んだ場合、6MPのD100やD70がラインナップにあり、D70Sや入門機第一号のD50も未発表で、D200も同年の11月のリリースです。そこで投入してきた12.4MPの本機は破格のスペックでの登場だったのではと感じます。そのころ鉄はCanonでのシェア率があったそうです。
仕事方面においても引き伸ばしを必要としない媒体で出番があり、夜間の手持ち撮影の部類を除外のもと、本機から仕事のスチルカメラを銀塩から切り替えたカメラマンも想像が難しくありませんでした。
▼運用において
使ったフィーリングは現場で運用してきたF4Sや、試運転にとどまる中で感じたF5に似ており、特に持った感じや縦グリップのメインコマンドダイヤルは後者と差支え無い持ち味です。抜群にキレのあるシャッター音。これも外せません。
操作はUIのアクセスを頻繁に変えないようにするセッティングで行けば快適であり、そぎ落としたように割り切れば被写体に集中ができます。決してやることはカメラを鑑賞することではなく、『撮影をしている』というところ。
APS-Cのセンサーサイズでありながらも、比較的見やすいファインダーも好印象でした。
▼カラー設定
本機やD80等の世代の機体は
「カラー設定」の名前で、3パターンと白黒がUI内にあり、方法が独自のものとなっています。
D3・D300より実装の「ピクチャーコントロール」の前身をここで載せておこうと思います。
カラー設定は
モードⅠ:初期設定。画像調整を行わなくても肌色やグラデーションを自然に再現する。
モードⅡ:素材重視。画像編集を積極的にする場合に最適。 AdobeRGB選択時のみ選べる
モードⅢ:風景撮影に適した鮮やかな再現。モードⅠと比べると
硬調な仕上がり。
白黒:これの通り
主な項目はカラー設定のほかに、
「輪郭協調」
「諧調補正」
「色の濃さ(彩度)」
「色合い調整(±3段階)」
が設定できます。
ここではRAWで撮影した同じ画像を使って比較いたします。
★各コマ共通★
レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm F4G ED VR(24mm)
露出:1/60sec F11 ISO200
測光:マルチパターン測光
WB:5200K マゼンタ+0.5
ピント位置:7m前後
※カラー設定以外の項目は振れ幅のない「標準」とします。

モードⅠ

モードⅡ

モードⅢ

白黒
▼そのほか
「本当に必要な能力値はこれでもいい。」そう確証へ導くような使い心地とポテンシャル。
そもそも露光のプロセスは何か。F値や露光時間など、そもそも必要な値はどの程度かとなるとおのずとISO100 1/250sec F8前後をホーム位置とし、足の速い被写体や絞り込みが必要な場面に変えていく。まるで本機は銀塩とデジタルの分水嶺です。
また、モニターが確認用にすぎないのでPCでCFカードを挿して開き、展開するまでの高揚感。こちらは銀塩の感覚に近いものです。
12MPのセンサーなので引き伸ばしによる出力は、Capture NX-Dでの調整後、四切ワイドで制作した分では良好な結果を確認しました。ISO200前後の低感度域でも拡大すればノイズが見えているので、Capture NX-Dの「高画質2013」でノイズリダクションをかけるととてもヌケのよい画像に仕上がります。
レンズや時間帯などの条件に気を遣えば、A3までは出せそうなポテンシャルがあります。
昼行であればD700に近い感覚で運用できる基礎体力も見どころです。
そのほかチラシの裏はそのままこの辺に掲載。
そして、いざD850と一緒に運用してみると、
現在の運用方法としては、潔い割り切り方のできるモジュールのためなにかと無駄がないペアになりました。
本機はAPS-Cのセンサーを積んだ機体で、超望遠レンズも手持ちで行ける縦グリップが内蔵されているタイプ。昨今では絵作りを中心にしたステータスの振り方がD850と同じにならない点が大きく、引き伸ばしや高感度の高望みをしないシーンでの出番や秒間約5コマでサブカットを担当したり、D7100でも真似できないような振れる独自の仕事は山とあったのです。
これからD2Xを手にしたい方へ…いないよね
▼今後は
めぐり合わせとはこのことを申すのか、本機を購入した時のショット数は
約3万ショットでした。
筆者がまだ、ランドセルをギリギリ背負っていた時代に送り出された機体が年月を経て、この数字を維持していたと思えば、ゆっくりと使いたい場合や「ここぞ」のシーンに登板させるなど、D700と併せてベンチマークとしていきたいです。
使っていれば擦れるであろう、見た目の外傷も信じられないほどに無く、これは
なるべく丁寧に使わねば罰が当たる気もします。
「よくうちに来てくれた」と歓迎の気持ちで運用しております。
メーカーのページはこちら↓
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d2x/index.html最終更新 2020/10/08
↓『続きを読む』では、より詳しい作例を貼っております(気が向いたら増やしていきます)
続きを読む
- 2020/10/08(木) 12:22:22|
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発売は2017年09月08日。Nikonの創立100周年の節目にリリースされた機体です。
45.75MPのセンサーを積むD800シリーズの3代目で、常用感度はISO64~25600。減感でISO32、拡張ではISO102400まで設定が可能です。
前作のD810よりも連写性能の向上が加えられ、本体のみで秒間約7コマ、EN-EL18系統のバッテリーとバッテリーグリップMB-D18との組み合わせでは秒間約9コマの数字を実現しています。
運用開始からレビューまで日が浅いため、書きかけやふくらましが不十分な箇所がございます。気づいたら増やしていきますので優しい心でごらんくださいませ。
▼投入経緯
問題点であったのが当時在籍していたD4・D700・D7100の3台のうち、制約上において1台だけを現場へ持っていったとしたとき各々が弱点を抱えていたことにあります。ざっと以下の通り。
・D4では大がかりな撮影でなければ大きさでデッドウエイト。荷物をケチると派遣しないケースが多々ある。
・D700はバッテリーグリップ増解結で柔軟性があり最も筆者が扱い慣れているものの、望遠系のチョイスで難。
・D7100は第一に高感度が。重ねてDX用の標準レンズを用意しないと、広角側で攻め込まれた時に対応が遅れる可能性がある。
もしも、携行していた機体で緊急事態が発生した場合はそれでやらねばなりません。割り切るという行為は無論とせずやれるものの、「この機体ではアレができない」のストレスは完全に払しょくができず少し嫌気になります。特に、撮影現場で持参レンズと現場が噛み合わず、美味しいところを逃してしまうところ。
こうして昨今まで看過していたことも含めいろいろな気づきがあり、急激にカジ取りした結果が本機を投入を決意させ、発案から2ヶ月程度の時間を要しました。
「移動が多い上、荷物の制約が常にあり、望遠レンズを多く使い、かつ望むらくはF値の明るい玉」
となったとき、D7100で運用試験をしていた「×1.3クロップ」と、借りて試用したD800などで得た高画素機の実用性のチェックへ入りました。
運用面においても参考にしたものがあります。35mm一眼レフが主流になるまえの報道陣が使っていたスピードグラフィックの運用のしかたで、『おおまかで抑えて後で要所をトリミングする』というものがあったと言伝で聞いたことがあります。
35判(ライカ判)のフォーマットと4×5のフォーマットでは情報量におおきな差があり、これまでも実習でつかったエボニーやトヨフィールドとニッコールの組み合わせでその効果を見比べ、高画素機で活かせないか考え付きました。
「これだ。FXフォーマットは使っていようと、そこまで自分は拘っていない。それでも持ち続けようとするのはレンズに帰結している。
有り余る力で揉み消せるほど器用なことが出来ないならこれが
現時点の回答だ。」
こうして2019年 8月1日。資金の目途をへて本機はやってまいりました。
▼運用において(2020/10/09 更新)
★ファーストインプレ
手に入れる前より家電量販店で再三チェックしたものとしてグリップの掘りがあります。申し分なく、D700とは比較にならない握り易さです。こういった細かい点は他にも、プレビューボタンとFnボタンの位置、サブセレクターの使い勝手、グリップをホーム位置で握った上でISOボタン・録画ボタンに乗る右手人差し指のかかり、レリーズボタンの判定押し量と必要な力量...。
チルト液晶がD700・D4と続いて初実装。それゆえかD5000を運用していた高校生の頃の感覚を呼び戻す副産物を得ました。
大きさは扱い慣れたD700。D4へ少し近寄った高速連写。要約いたしますと今までの経験を具体化した「ぜんぶいり」の機体でした。
運用から日が浅いため感じたこと・確認事項など。運用していくにつれ、こちらは考えがころころ変わりそうなので箇条書きにて以下の通り。
▼クロップを多用し即応性を急激に引き上げたこちらがもっとも欲しかったものです。
これを追記している最近の例で申し上げますと、
築堤を70km/h程度で加速中の対象(18m車8連程度の電車)を視認。AF-S24-120/4で50mm付近、引きで抑え、そのままクロップでテレ端(180mm相当)までもっていき前面をアップで撮影する。
録画ボタンを「撮像範囲」に割り当てると、押しながらダイヤルを回すだけで即座な焦点距離の変更が可能になるのです。重ね、要するにはトリミングをしているため、被写界深度の掴み、離しにも応用できる点が気に入っています。
2台のスチルカメラを用意し、あらかじめ露出を決めておくことが可能なら御の字です。しかし、常時これは叶うものでしょうか。
▼バッテリーグリップ増解結による小回りの段階選択・取り回しこちらはD700とコンセプトは同じであり、本機で条件をクリアした状態でバッテリーグリップ MB-D18を装着すると、秒間約7コマから約9コマ連写へスピードアップが実現します。これはD3・D3Sと同程度の連写速度になります。シャッター音もそれに伴い変化し、ファインダー像の消失時間も少し短くなっているように思えます。
一方で、バッテリーグリップを使わなくとも、秒7コマでの連写速度が出せるために、単独での運用で荷物の削減もさせつつ動体を撮影するための十分な速さをより確保しています。
(2020/10/09 加筆)
特に2019年10月以降、都営地下鉄5300形電車の撮影が本格化し、末端で申せば成田空港から三崎口まで、ほぼすべての線区で顔を出す大がかりな被写体です。新車に置き換えているために固定の運用は一切なく、同じ場所を同じ時間に行っても撮影できないために柔軟な即応性と発想が求められます。
先日の某快特停車駅では、撮影した列車に乗り込んで乗り継ぎを行わなければならず、
SIGMA 120-300mm F2.8 Sportsのフードを格納時の逆付けに、さらにはMB-D18は取り外して勝負。切り位置まで来たらすかさず指定した小玉レンズに換装させ、移動可能の状態を停車までに行う場面がありました。
▼面倒になったらオートでもいいかと思えるWBの正確さ(2020/10/09 更新)
本機の投入以降、各オートを使用する機会が格段に増えました。実装のオート系統は以下の通り。
AUTO0:白を優先する。主に駅ホームや複数ある電灯のアベレージ出しに貢献
AUTO1:標準。 時間がないときや手が回らないほど余裕がないときに使用する。
AUTO2:電球色を残す。
これを使う暇があるなら目測で「色温度設定」から作ったほうが早く、逆にどう使えばいいか不透明。項目そのものが邪魔自然光オート:要するに太陽光モードがもう少しだけ仕事するようになったやつ。ケルビン値がカメラ内情報に載らないため不便であり緊急用としてが但し書き。
1年以上見てきた所見は日中の曇天~降雨のシーンで転ぶ場合あり。モニターの設定だけはあらかじめ確認するなどの対策が必要で、いまだ人の目が最も頼れるのが実情。しかしよくここまで仕上げたと思える満足度は体感で認めざるを得ず、仕事の削減が叶ったのは事実でした。
▼スマートフォンやタブレットに画像を送信できるSnapBridgeが便利(2020/10/09 更新)
身内と画像をシェアできる利便性に富んだ機能です。筆者はBluetooth接続で使う場合が多いです。
カメラ側のバッテリー残量目盛りが1になると端末側にも情報が行き、送信ができなくなる点は注意です。バッテリーはニーズに応じて複数個の携帯が理想です。
・RAWデータのサイズ変更が可能になった点
・AFの進化に伴い信憑性の向上(特に中央1点と両端)
・チルト液晶
・バッファは14bitRAWとLサイズ画質優先JPEGで連写した場合、復帰は早く気にはならないが170MB/sのSDカードでは詰まる場合がある。
・DK-19を展開するとメガネをしたままでは四隅がケラれる。
・常用最低感度 ISO64はわりと使う。
(書きかけです)
★懸念点
いちばんの懸念は、本機の速さとやれることに慣れてしまい、2台もちでいく際の役割分担を予めハッキリ取り決める必要があるというところ。また1台で概ね駆けずり回ることが出来てしまうために、いつまで持たせることが可能か心配である点もあります。どこかの記事で見た「2台ほしい」という記述はこのことでしょうか。
かなり間(ま)を考えなくてはならない点があったりします。ここは慣れ。

高架化工事が進む京成立石駅を見つめる筆者のD850
☆これからD850を手にしたい方へ☆
まずは一定期間を現場で扱ってきた2台から。
▽D700から乗換える場合
筆者を知る読者の中ではもっとも気になる部分ではないでしょうか。
D700は、発売から本機の登場まで9年の歳月が経過しました。その間は純粋にコンセプトを受け継いだ機体が登場することなく、地団駄の方もいらっしゃったと思います。筆者も致し方なしにD4へ主力を移したところがあります。
筆者の考え方は、純粋に画素数を抑えてフィーリングが欲しい方は一桁機が選択肢。
本機へ行く場合は『
運用システムをD700からなるべく変えないで新しい筐体と+αがほしい方向け』と考えます。
たいへん気にするであろう画素数においては、RAWデータのサイズ変更が可能になったために、45.4MPのフルパワーのほか、12bitロスレス圧縮RAW限定で25.6MPと11.4MPへ
パワーダウンも可能となりました。
D800とD810に見向きでもなかったのはファイルサイズの懸念であり、チラシの裏にプリントしても憚られるような、至極どうでもいいカットを36.3MPのRAWデータで毎度残すような真似をしなくていい点が非情にも好感です。いちいちRAW記録をON/OFFに切り替える作業も、戻し忘れによる撮り逃しで泣くリスクを考えればシャク。筆者としてもここの自由度が投入の敷居をおおいに低くする結果となりました。
諸元で現れない2台の差としては在来線特急(ブレーキング)と新幹線(アクセルワーク)の差。外身はほぼ一緒で中身が別物と申し上げておきます。
完全に慣れ切った玄人向けのような仕様の差を感じてしまいます。高感度もISO12800程度までは扱えるため1段と少しは上、屋外での稼働時間にも差が生じます。
こちらも見極める点として、撮影から画面へすぐ再生させるのにD850のほうが待たされてしまうところは、D700の分と一つだけ確認しました。(2台とも14bit非圧縮RAW+画質優先LサイズJPEGで比較)
どんなデジタルカメラでも当てはまりますが、最低でも「露光時間の原理や実用に限った上でのレンズのアレコレ」、「被写界深度の読み方とピントの作り方」、「絵のヌケの読み方」 だけ頭に入れておけば怖くありません。高画素機故にシビアになりますが、時間を割き、落ち着いて知ることを覚えていれば気づきが返ってきます。
2台の大きさはD850がひと周り大きいか程度です。乗換えや主力交代でのカメラとしての「入りやすさ」では取っつきやすいモデル同士です。
▽D4から乗換える場合
鉄道を撮るにおいては秒11コマ連写は命です。置換えは避け、残して買い増しがもっともベストです。
EN-EL18系統の充電池と、バッテリーチャージャーのMH-26はMB-D18の投入を視野にしている場合は流用ができます。D4は耐久性に優れるため予備機としても、ここぞという時は真打にもなれる機体でもあります。
本音といたしましては『力のD4』に対し、『技の本機(D700もこの部類)』であると考え付きました。D850とて条件がそろうとだせる秒間9コマがあったとしてもコンセプトはまるで違い、性格や体質は別なのです。
筆者は緑で懲りたので掃きました。
▽ゼロスタートで投入する場合
発売が10年は経過した機体でD3XやEOS5D MarkⅡなど、20MP越えの機体を見た時、本機の持ったポテンシャルで送れる選手生命は長い期間があるものと考えます。作業環境、運用環境と相談し、一考かもしれません。
購入してしまった際は説明書を必ず読み、パソコン環境とも相談しながらゆっくり慣れていくプランを強くおすすめ致します。
▼筆者の答え (※煮詰め中につき適宜みえ方が変わります。話半分で!!)
D850はD700から切り離して得た筐体に新しい次元をもって進化してきた機体です。
2020年10月現在において、一眼レフカメラで45MPのセンサーを搭載しながら秒間9コマ連写で回すことが可能な唯一な機体として、現行製品のなかにその名前があります。筆者が扱ってきたD4とも同様に、本機の仕事上の役割では代わりはおらず、作戦失敗の原因はヒューマンエラーか、撮り手の力では覆すことのできない天候の引きや瞬間のめぐり合わせがあります。
D4では両方ともだいたい均等くらいで当たる問題でありましたが、本機では前者のヒューマンエラーの比重が際立ちます。投入して半年はFX、×1.2クロップ、DXクロップの3枠の取り扱いに対し、被写体を目の前にして有用な選択を見誤る点。必ずFXフォーマットで撮影しなければならない事態はないために、また、レンズの選択においては緒収差のカバーをさせる点でも有用です。知り得ただけ作戦が大幅に展開できる柔軟性が仇となり、膨大な選択肢を頭で捌ききれずに決定的瞬間と目の前の事態を逃す例。
多機能なほど人間が置いて行かれる。しかし、本機のポテンシャルを使わねば領域に手が届かず。
1年と少し運用していますが、本機は筆者に伸びしろを気づかせようとしているのか、本性は未だ深く眠るがごとく封印を解こうとしません。
(2020/10/09 更新)
なんとも「乗れてない」日を経験いたしました。直近のフィードバックで必要なルーチンは賄い切れており、レンズも支障なく動き、筆者も概ね平常通りのコンディション。なのに目的から必ず外れた結果を繰り返し、32GBのXQDカードを3時間足らずで満杯にして帰ってきました。これが地元でよかったと思えるあたりが救いでした。
地に足がついていない。つくづく、筆者の扱い方では力任せにぶった切るようなやり方(D4)でなく、健脚に任せてチマチマ当てる方法(リコーGRなど)も違い、、、
最適解をもって弱点を射抜く方法と実感します。無論D700でもこの芸当はできず、これは本機独自の立ち回り方で、知識を武器に、過不足を作らずに、冷静に考え、五感を使い回答を拾い上げる。 絶対にこれの真価はどこかにあるはずです。
▽今後は・最後に
投入時からの構想としては、もしD850を主力から下ろすことになったとしても、秒7コマ連写やクロップによる画素数の余裕を活かし、予備機や1.2クロップメインで扱うなどのデチューンも視野にしております。京急2000形・2100形がヒントになりました。
2020年10月09日現在、中古相場は24~27万円程度です。リリース時期も見ると現行品として新品へ行く手段もありです。


最後にこの1カットを。200km/h以上でている 上り『のぞみ』から遠景を狙ったものです。
上が概ね100%等倍のものを3:2比でトリミングしたもので、下が撮影時の無調整。Lサイズ14bit非圧縮RAWで記録。
レンズは
AF-S NIKKOR 24-120mm F4G ED VRを使用。情報量の参考に。
本機はD5000から数えて4台目となる新たな旗艦機として最前線での活躍を予定しております。D4とトレードオフになった部分は、他で補填しつつ、クロップの即応性とモジュールの更新で得られた信憑性とで、露光時間の向こう岸を見続けてまいります。
↓メーカーのページはこちら↓
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d850/最終更新 2020/10/09
↓『続きを読む』では、より詳しい作例を貼っております(気が向いたら増えていきます)
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- 2020/01/10(金) 22:59:57|
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1年の運用期間。そろそろいきます。

発売は2013年3月14日。
24.1MPのCMOSセンサーや中央1点のみF8に対応した51点AF。画像処理エンジンもD4と同じ「EXPEED3」を搭載。前作D7000の筐体に新しい要素を盛り込んでいます。
また本機から「×1.3クロップ」が新実装。高画素による余裕から約15.4MPでさらに1.3倍の焦点距離を稼ぐことが可能になりました。
▼投入経緯
M4/3のGF1・GX7・GH3で得てきた運用データを基に、直掩機としての安定度としてニーズはAPS機に固まりました。
投入は2018年12月01日。当初は乗り気ではなく、右に倣えと誰しもが持っているような機体でバッファはお世辞にもあるとは言えず、画素数とAFモジュール以外は焼き直しのような位置づけ。バッテリーグリップを差しても連写の速度は引き上がらない。せめてローパスレスになった。
期待値はD7000で完全に見限っていたAFにどのくらいの信用を持つことが出来るかという事。高画素機を今後運用するための試験機として、D4で時折使っていたクロップ機能に実用性をゆだねていました。
投入して翌日には
AiAF80-200/2.8D NEWと試運転を行い、追従具合を確認。とりあえず昼行でなら拾い、フィーリングはD300系統と同じ感覚で使えるものと認識しました。
ファーストインプレは、『悪くはありません』でした。
▼落下事故発生
むしろここがこの記事の本編かもしれません。
現場は東武宇都宮線の壬生にある鉄橋です。土手道より1段高くなっている場所で三脚を立てて350系の浅草行き特急を狙う撮影プランです。
斜面に三脚をセット。本機をD4の上に、ホットシューアダプターと自由雲台、レンズはAF-S24-85Gが付いた状態です。動画でも回そうとセッティングしていました。かなり仰角の状態で仮セッティングして、目を離した隙に、ホットシューアダプターより上が足元の草地へ唐突に落下。そのまま斜面を進みます。早々に拾いに行こうにも、凍結したコンクリートに脚を滑らせ筆者も2mほど緩やかな斜面を腰から滑り…。
本機が落下速度を上げて落ちて跳ねていく姿は英国の某車番組が頭をよぎりました。やってしまった、、ロックが甘かった。
機体、持ち主ともに、完全に停止してから、拾いあげて外傷をチェック。
当たった箇所はAF-S24-85Gのフードが1ヶ所受け止めており、そこから自由雲台、本体のモードダイヤル、グリップの赤いライン付近と上部に集中していました。
「まあ、(あそこの会社だし)大丈夫であろう」と思いつつ、 液晶は? 駆動まわりは? Ai連動ピン? ミラー・プリズム? 物理切り替え系の破損個所は? あらかた思い当たる箇所をみて1周し、 MENUが開けないことに気づきました。
致命打は
「AEロックボタン」で、外枠の合金が内側へめり込み。強制的にボタンを押しこんだ状態であることでした。筆者が扱うNikon機は必ず親指AFにし、シャッターボタンは完全独立になっています。つまりは、電源を入れるだけで、頼んでもいないのに勝手にAFが回る仕様という事になります。
「(適当に使って月を跨いだらD7200の足しにしようと思ったが…)こんな奴に構っている暇はない」と、メカと電装へのダメージはないものと合点、MFレンズ限定で継戦は可能であるものの、使えない物を可愛がるほど余裕はなく、通過6、7分前になってこの場でのみ本機を放棄しました。
ある意味、こういったアクシデントのために、大事な撮影では荷物が嵩張っても1台もちのパーティーを避けているのです。
1台くらい潰れたところで「まぁいいや・・・」と思うも戦力低下によるショックは少なからずあり、これまで富山・新潟・広島・兵庫でD700を
状態異常の発覚・
戦闘不能にした経験をもっても拭えず、冷静にあたっていけば確実に拾えるD4をもってしてもまともに扱うことが叶いませんでした。毎度のこと、これが甘えと思います。
結局、何をしに現場へ向かったのか。
パンタの処理は甘く、35mmでいった超接近戦に見合う露出を作れず被写体ぶれ。負けを認めて壬生の土地を後にすることになります。帰りの道中は扱い者が大ケガせず多少の打ち身で済んだことを喜びました。

処置前の状態。 めり込んだ外枠により、ボタンは画面9時の方向押し込められて戻らない。
「今から手を尽くす、その上で貴様の答えを聞かせてみろ」
帰宅後のことです。筆者を知る方、また長らくお付き合いいただいている読者の皆様なら感付くのではないでしょうか。右手に握られた金属ヤスリがあります。
すがる思いを持ちつつめり込んだ合金を少しずつ、少しずつ、削ってブロアーで吹き、削って吹き、落ち着いて慎重に削り、押しこまれたボタンは一定の境をもって定位置。そこに右手親指があらゆる条件で乗ることを考え、削りヶ所のカド取りをしてマイルドになったら処置終了です。深追いはしません。

処置後。慎重にいくものの筆者の焦りがヤスリの傷から散見される
その日の昼頃までには症状を改善させ、翌朝の延方へ向かうインフラを予定の本機からGF1へ変更。フランジバックのズレや2次被害を確認作業のために、10日程度はひたすらな試運転を続けました。
答えは真っ当に返ってきました。
▼D7100はどんな機体なの?
2019年春では、自持ちのD7100・D4・D700を1台ずつ起用し、週1で成田線の撮影に臨みました。諸元表には表れない各機のフィーリングを知る機会として、筆者の意思とアウトプットを優先に運用データの収集をしていきます。
FX機の2台は、「愚直に速く、振り回される
最高速度」と、「フィールドに合わせた筆者と相乗による
最大トルク」とわかり、これだ! と違いの実感を致しました。
はたして本機はどうだったか。撮った画像と当時を思い出すと「
小さいシステムで、装備者の小回りへ転換」です。
言い回しとしては酷ですが、大きさなりに中身を考えると
無理ができず、機体を介してアクロバットな撮影の仕方は不思議としなくなります。逆にトータルウエイトを軽くすることで撮影する場を1つ余分に増やせたり、「あっちもいこう」、「こっちもみておこう」といった部分ができてきます。それでいて上級機に比較的あわせてあるUIと取り回しで
カメラを使うことの満足度を損ねません。完璧なミドル機です。
このほか、戦果を要さない偵察時、乗り鉄している時といった、「撮影がメインでない行程の場合」、行く先々で、「時間帯と照明の明るさが読み切れる場合」ではこの程度の大きさは重宝です。大きすぎず、小さすぎず、このくらいが丁度よいのです。それでいて24.1MPのトリミングにも耐える画素数とそれなりに追いかけられるAFがセットでついてきます。
筐体として近い形のD700との差は、剛性、根本的なセンサーの大きさ、レリーズタイムラグ、高感度(体感で)、加減速とトルクのツメです。この辺りは文章にしづらく、大きな差としてあり比較しても絶対的に埋まらない部分であります。
個人の総合評価としてはD700の約80%です。それだけクラスとしてのきちんとした筐体を位置付け、基本性能をもっています。
▼設定まわり
原則としてD700に準拠でありますが、一つだけこのクラスにしかない(知る限り)設定方法があります。
モードダイヤルに「U1」「U2」があります。「絞り」・「シャッタースピード」・「ISO感度」・「ホワイトバランス」・「AFモード」など、その時の設定状態をダイヤルに充てることができるのです。
『ユーザーセッティング』と呼び、メリットとしては、下手に弄りまわしても他所のモードへダイヤルを回して往復するだけで、設定が元通りになるのです。これを使い、基準→夜間仕様へ設定変更→(ダイヤル戻し)→基準まで素早く戻ることが可能です。
露出も固定できる点を活かし、「U1」を流し撮り仕様、「U2」を走行シーン仕様といった振り分けもでき、使いこなしてからも面白さがあります。
このモードはD7000でも設定が可能です。カメラの設定よりも被写体と安全をより注視できますため、素早さ重視の方には試していただきたい機能です。
1つだけ残念なのが「動画撮影ボタン」の設定割り当てが仕事をしないことです。ここに「×1.3クロップ」を充てて、ダイヤル切り替えができれば、昼行に限ってスプリンターになれました。仕方がないので「iボタン」のスタート位置を「撮像範囲」にして煩わしさをもって対応しています。
D850などの上級機、D一桁機との設定まわりの差は慣れです。
☆これからD7100を手にする方へ☆
本機は基礎性能だけは確実にあるデジタルカメラです。現在では中古での入手がメインとなります。
▽買い増しの場合どのクラスからでもD7200へ行った方が費用対効果があるかもしれません。よほど投入コストに悩んだ場合はD7000やD300系統より本機がお勧めです。
▽カメラ未所持で行く場合「低コストで本格的かつそれなりに使える機体」につき、Nikonのデジタル一眼レフカメラとしては候補の一つになります。
余裕があればD7200、D500、各FXフォーマットの機体がよろしいかと存じます。こちらは但し書きとして撮影用途に依存します。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「2019年11月21日」の中古相場では3万円台後半(ボディのみ)の個体が多いです。レンズキットもあり、ゼロスタートでも5・6万円の予算で始められます。

最後に本機で撮影した1カットを。
クロップ機能で、「とどいてくれ、もう少し」に応える強さとISO2000が遠慮せず選べたところに感銘です。被写体としても待たずに行ってしまいますので、可能性を多く持ち、作戦継続時間を増やし、成功率と選択肢を増やしていく。掛けたコストなりの費用対効果を得ました。
そして、今日まで目立った異常は無く、得意なシーンで補填しながら主力機を護っています。しかしながら、画素数は今や2000万画素程度が当たり前になっている昨今、修理するほど目立ったスペックは無く、寒冷地やリスキーな撮影でのカード切りになった時は捨て石で使おうと考えております。
そこまでやって壊れないとわかった本機は筆者としては一気に信用と愛着へ繋がり、「盾」として、我がパーティーの落としどころに入りました。
メーカーのページはこちら↓
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d7100/最終更新 2019/12/02
- 2019/11/21(木) 16:50:27|
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運用開始から1年。頃合いです。

発売は2012年3月15日。
スペックはD3Sを越えていくフラッグシップ機。常用感度は100~12800 ISO50相当の減感、ISO204800相当の増感が可能です。
センサーは16.2MPに、高速連写はD3Sの秒間9コマ(FXフォーマット時)から秒間11コマへ進化しました。
メディアもCFカードと、今や馴染みになりつつのXQDメモリーカードのダブルスロットになりました。
▼投入経緯
筆者の手元に来たのは2017年11月1日。仕事へ行く前に、8番線がけたたましいある駅の近くにある中古カメラ店にて。開店と同時に店員さんを捕まえて、D4の在庫すべてを出してもらうほどの本気度で、頭金を握りしめて1台を手にしました。私が手に入れようとした機体はおよそ25万円の値札が下がっておりました。
発端は、2093日間、我がパーティーの切り札として最前線にいた、D700の上カバーに浮きが見つかってしまったことに起因します。それから1年経って、特段な問題はなく稼働してくれているほど、未だ生き抜こうとしているのですが、持ち主としては「もう無理はさせてやれない」の気持ちがいい加減にありました。決断は半ば清水といえど、現実的な導入コストでD700の代わりが務まる機体は何かとなった時、D700買い増しで繋ぐ、D3Sにして使い潰す、そしてD4。。。あー待てよD4Sは高い。消去法で担ぎだした答えです。
ほかに投入候補として、最新のD850もあったものの、注文過多による供給不足だったり、当時D4Sの中古良品よりも高い価格であったことから本機が選ばれることになったのです。なによりフィーリングがD700のキレとの比較になり物凄く相性が悪かったため、そこがやめた要因にもなりました。
手に入れて時間が許す限りの試運転をしたときのファーストインプレは「D3よりも速い」でした。ファインダーの像消失時間はD700・D3よりも速くすぐ気づき、グリップの持ちやすさは人間工学に準じたもので持ちやすく、重量に対して軽く感じました。いわば短縮と削減で、ケチではなく進化、あの丸っこい見た目とは裏腹の使いやすさがありました。
この安心はリュックで格納しているだけでも安心感があります。
▼運用において
2017年暮れの青春18きっぷ回では、それまで皆勤だったD700が家で留守番になりました。本機の性能テストをするつもりでもなかったのですが、雪降りしきる上毛高原、その足で強風の御殿場、翌日に夜明け前の薩埵峠、当時話題になったサンライズ瀬戸際の上り回送を湯河原で。D700ですら、北陸の修羅場を抜け撮り手に最後の日までついてきたのですから、こんな程度でくたばる様でしたらうちの子にはなれません。
年があけて2018年。2月上旬、3月下旬の三江線回では、D700と共闘。ワンショットで拾える範囲をD700、フィールド機として最も瞬間を要求されるシーンにおいて圧倒的な力を見せつけてくれました。そこから晩夏まではD700と本機を1台ずつ、隔週で交互に扱いながら欠点と強い点の洗い出し。
そして初秋の迂回貨物では、総じて『セッティングして撃てば、ほぼ必ず拾う』状態で銀塩を使う余裕をくれるなど、任せきりにして他の作業をしても必ず結果を残す戦果をあげました。
本機を投入して写真を作るアプローチの変化は、本機と相乗で行くのが至極真っ当ですが、機体の圧倒的パワーを頼るようになりました。秒間5コマ連写(秒8でも)のD700ではシングルタップで決めていた場面を、本機では秒11コマの高速連写でなるべく前後カットまで使えるスタイルに。ほかにもD3Sから実装された×1.2クロップがとても扱いやすく、11.1MP相当と、ひとまず実用な数字を出してくれます。よく言われるホワイトバランスの緑寄りにはここだけ注意が必要で、普段はマゼンタ+1で対応しています。
高感度に関しては常用のISO12800がいいところ。場合によってHi0.3くらいまでにノイズリダクションでもまだよろしい感じになりま3す。
1年使ってのフィーリングは、ぶっちゃけ、普段使いでこのポテンシャルは要らないです。入門・ミドル機から次が欲しいと思う方は、絶対に、その現存機を下取りには出さない方がいいと考えます。乗用車ならフェラーリやランボルギーニで立体駐車場のあるスーパーへ行く具合、鉄道関係なら東武大師線をスペーシアが往復しているイメージ。大は小を兼ねるともうしますが案件や被写体によっては過剰スペックで邪魔と思うことも大変多くあります。故に、「軽」の駐車スペースに止められるような、ワンマン運転対応機器に各駅停車だけを担えるような、小さいサブ機にメリットが生まれてくるのです。
今後の運用は、FXフォーマット最高速連写機として、あらゆる悪条件下でも必ず稼働し結果を残すためのキーデバイスとして、気が変わらなければ我がパーティーにおいて最前線を任せていこうと思います。ハード面で基盤がしっかりした機体を手に入れたので、いい加減、投資するのは見合ったレンズとも考えております。
(2019/07/04 追記)
先日の中野電車区へ回送するクモヤを撮影しに行ったとき、望遠枠で相性が悪くクロップで対処。また復路ではD7100で行くことになり本機のメリットを最大限に生かすことが出来ませんでした(出す現場を間違えた気もする)。なぜかここが発端となりD850への置換えプランが浮上。
機体の強さは外部の情報も含め百も承知。欲しいのは筆者の性格と求められるニーズを鑑みて、高い汎用性であると感じました
。あと緑
▼設定まわり
基本的に
D700と同じ設定にしています。
シャッターボタン半押しでAFは回らず、プレビューボタンはお馴染み「マイメニュートップ項目先へジャンプ」に、下のFnボタンは「レンズ手動情報設定」。
そのほか、サブセレクターか縦位置ファンクションボタンを押すと「ファインダー内水準器」。スチル撮影時の動画撮影ボタンは「撮像範囲」に充て、×1.2クロップとだけ切り替えができるようになっています。

穏やかな日本海を眺める筆者のD4
☆これからD4を手にしたい方へ☆
初見で恐らくこの機体を欲しいと思うユーザーは「高速連写」、「ファインダー」、「長い玉を頻繁に使う」、「過酷な条件で確実な動作」、「持久力」、、、、といった、これらの条件が1つ以上は絶対に当てはまることでしょう。私もフィードバックで総じて経験がありますし、いま現在も当てはまる項目がいくつかあります。
★鉄道写真では鉄道を撮る方に向けてなにか申し上げるなら、もし普段撮る地域が伯備線クラスの山間部だったり、寒冷地だったり、ミドルレンジを好んで使う方でしたら、興味だけでも動機は十分かと存じます。200mm以上のレンジを現状のパーティー内で何をつかってカバーしているかだけ併せて再確認を。FXフォーマットは射程で悩むケースが多いです。
(2019/08/03 追記)
但し、都内などの密度のある場所では小回りが利かず不利な場面が多々あります。
たとえば400mmメインで携行したい場合。最低値では標準系と80-400mm、または70-200クラスにテレコンバーターが必要になってきます。さらに明るさを重視し夜間まで作戦継続が予想される場合においてはヨンニッパが出動。。。
クロップがあるにしても引き延ばしでどこまで絵が耐えられるかが加味され、高速連写と画素数・(根本的な)ボディの大きさをトレードオフにしなければなりません。そして展開時に大きいレンズや荷物を安全重視で広げるとスペースが必要になります。
とても考えさせられる事案で、「何故、本機をそれでもとるのか」があります。
(2019/10/06 追記)
置きピンくらいは暗かろうと被写体の車体色が極端だろうとできたほうがいいです(思い出したように
いくら機体が速くなったところで人はそこまで便利にできていません。過去のカットを見返し、D850を使っている今でも自戒を込めて。
★手に入れる際は (2020.06.09更新)
▽乗り換え・買い増しする場合
・DXフォーマットから
連写が欲しい場面ではD500以外からの乗り換えや買い増しは動機になりえます。そのほかはやはり耐久性です。
・FXフォーマットから
高感度の面においては本機から少し譲ってしまうモデルがあります。やはりニーズは耐久性にあるのかもしれません。
D3・D3Sからの乗り換えにおいては、D4SやD5へ行ってしまう方が費用対効果がありそうです。
買い増しの場合に限り、写真学生には現段階(2020.06.09時点)ではお勧めできます。半切や全紙で課題をやらない限りでは必要最低限な画素数があり、高い耐久性があるため、万一のことがあって課題提出に支障がでる心配も極力の回避ができます。
フラッグシップ枠につき息が長く、他のレンズやモノブロックなどの照明機材も在学中にそろえてしまえば鬼に金棒です。
メーカーの修理枠があるうちは、卒業までに1台あると最後の制作までストレスフリーです。
卒業生からお願いとしては、最初から
シンクロターミナルのあるいいやつを買ってください。
特にスタジオオンリーで制作してる人そのほかのニッチな需要は、ショット数の限界に近い個体をあえて手に入れてオーバーホール前提で手に入れるプランも考えられます。
▽ゼロスタートで投入する場合
2020年6月9日現在、本機はメーカー修理がまだできます。中古店で店の方と相談し、『3ヶ月保証』などのバックアップのある1台を選ぶのをお勧めいたします。
決断と多少の覚悟が決まりましたら、可能な限り良品・美品を見つけ、信用できる店で時間を使いながらゆっくり決めることを極めて強くお勧めいたします。一番気がかりだったのは、右手親指で回すメインコマンドダイヤルにトルクがなく、硬い個体が沢山あったこと。適切な力量でダイヤルが回らないのです。店頭に出向いて、よーく機体の声を聴きましょう。
・・・ ・・・
見た目もよく、傷もほとんどない、最後は右手が善しとしたものをとった筆者の1台は、23万ショットを数えていた個体でした。前オーナーは野鳥か航空機を手持ちで撮っていたようなイメージができました。まぁ実際、その辺は中身の問題で、外装に傷があった場合は前オーナーが何をどう撮っていたか知る手掛かりになります(大学時代、同期からは「おまえ鑑識かよ」とまで言われた)。話を大きく戻しますと、Nikonのプロ機はひっくるめて、『どのような使われ方をされた機体かが、全くもって未知数なクラス』なのです。
★筆者の答えD4はNikonのフラッグシップ枠です。ここまで来ると、失敗は人間ではどうにもできない不可抗力か、完全なヒューマンエラーの2択で、等倍でポテンシャルを引き出すことでさえ至難であることだけは申し上げておきます。せめて写真機をつかっていて、仮とて発生した事案・事象を、裏打ちから過半数以上は原因を解剖でき、対策が練り出せる程度の練度はないと宝の持ち腐れになるのが使った感想であります。これはシャッターを落とすまでの事をさし、拾いきれず逃すようでは編集でカバーなぞできません。なんのために作戦を立案し揚々と撮りに行ったのでしょうか。
常に撮影時は、どうすればもっとも欲しい結果へ行きつくことが出来るか筋道を可能な限り構築し、いざ撮る状況になった時にどれだけ機体を扱えるか、また積み上げてきた経験値で理想に近づけられるかに係ってきます。それを越えたときが、このクラス無二の力になって使用者に応えと気づきをくれます。
本機は可能性を常ににらみ続けています。機体に牽引されるやり方も叶ってはいるものの、だったらなぜその機体を使うのでしょうか。トリミング前提しかり、ぼけが要らない撮影でしたら、他に良好な選択肢はたくさんございます。
(2019/08/03 追記)
雪降りしきる中でも、濡らそうが道に叩きつけようが「それをやったら故障する」が筆者の頭にはありませんでした。真骨頂は生存率99%以下の場所で垣間見れるものかもしれません。安心が最大級の集中をくれます。
2020年02月11日現在、修理対応機種に本機の名前があります。修理前提やオーバーホールまで考えている方は今が買い時であることを添えておきます。中古価格は13万程度が目安。
ちなみに売却も今のうちで、それだけ資産の位置づけを持っています。
▼ついに掃く(2019/08/01 追記)
痺れをきらしD850を投入しました。要因は以下の通り
・現状(当時)、D7100・D700も在籍している中で、どの機体も1台限りでの運用では一長一短が極端であり、デメリットに当たるとリカバリーが利かないため。
・鉄道撮影では長めのレンジを多用するため、実現するにあたりその分の荷物まわりを嵩ませないと、一番おいしい大火力とハイパワーでのゴリ押しが思うようにできなかったこと。もはや200mmオーバーではAF-S200-400/4Gなどのセットが均衡とも感じました。
・万一、長いレンジでの撮影になった際に16.2MPから画素数を絞らないとならない点が、デカさとトレードオフでボトルネックであり、運用していて嫌気がさしたこと。
・物理耐久とパワーを強化、その他もろもろはそれなりに改善した以外はさほどD700とポジションが変わらず中途半端で仕事が被っていた点。
・住まいの周辺においてかなりの密度変化がある点。
・緑
決して悪いとは一言も申し上げません。
うちでは存分な運用ができず結果としてこれはヒューマンエラーであり、運用時に得た撮影・運用ワークを次へ託すことにしました。
本機は着任の2017年11月1日からの638日間、無事故かつトラブルなく我が最前線を護りきりました。

最後に本機で撮影した1カットを。
適当な編成写真はD700でも撮影できますので極力、悪条件下でのカットを。どんな状態でも動作する信憑性・堅牢性は撮り手に安心感と信頼を提供します。どこまでも行けると思うから、どこまでも行こうと思いたくなるものです。
恒例の本機を鉄道車両に置き換えたらですが、最高速度据置きで加速度MAX振りの683系8000番台ではないでしょうか
メーカーのページはこちら↓
http://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d4/index.html最終更新 2020/06/09
↓『続きを読む』では、より詳しい作例を貼っております(気が向いたら増えていきます)
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- 2018/10/30(火) 23:45:22|
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