第19回の続きになります

こちらでは135mmの実践的な使い方についてメモ程度に載せてまいります。
なお、自己流に基づくもののため、読み手のことは全く考えておりません。
また各項目とも、目的達成に近い場所を意識しているため、作例画像は満足といえるものではありません。諸々あらかじめご承知おきください。
作例画像は、記載のないものはFXフォーマットのD700・D850にて撮影したものです。
・距離を意識
ぼけを利用し線をたたせる

奥行きをつけて一定の距離感を表現

奥行きに高低差を付け、居場所を強調
・背景を使う
バックが直近にある場合

距離を多く設けた場合
・色の凹凸を使うまず同じシーンの2コマから。看板の「白」にご注目ください。


特性上、面が中心でフラットになりがちな圧縮でありますが、色を見極めることで線の表現や、立体感のある画面を狙えます。
次の3つは日なたと日陰といった、光源を使った例です。画面にリズムやメリハリを与えることができます。

ハイライトと影を使う場合

ぼけを使う場合

奥行きで影を使った例。
・かかえ
→なし

→あり
ここからは筆者が独自に呼称している「かかえ」について。28mmでのノウハウを応用します。
そう、被写体の引き寄せに注視して奥を見がちでありますが、
手前はいかがでしょうか。
この作例では、トンネルの距離感をより出すために、「あり」だけトンネル入り口の明るさを使って空間を設けています。副次的なものとしても、「トンネルの長さ」もこれで測ることができ、圧縮率も予想ながらどの焦点距離を使用したかまで判ってしまうものです。
また、この「かかえ」においては焦点距離ごとと、撮影対象の距離や空間によって強弱があります。この作例においてはトンネル出口の大きさを確保するためにも、180mmでかかえこみながら圧縮で通す方法もよろしいかと執筆していて考えがつきました。

看板までは15m程度あったと思います。手前に踏切の遮断棒を使って奥行きを引き立てます。
ついでながらシャッタースピードも意識。遮断棒の動きを止めきれない程度の早さを選択し、臨場感のある表現を試しています。

より距離をとって。

こちらはもっと距離をとったもの。
イメージとしては特撮もので、初代ゴジ●などの頭長高40mを越える対象を入れたらこの程度の引きが必要ではないでしょうか。
突き詰めますと広角レンズの距離照査を望遠で応用するやり方が「かかえ」です。
望遠レンズのなかでも中望遠で説明するとわかりやすく、これの説明をするために、多くの規格があり癖もない135mmを選んだ節があります。メインを奥へやり、手前に余裕を持たせるかハイライト等の点を置くみせ方で距離を示す方法です。
常にデッサンスケールを頭で意識。これの反復で「
認識画角」ができ、目測で焦点距離の選択ができるようになります。
★つかいどころは?50mm 28mmよりも使い道は限定され、圧縮やかわす目的で使う場面がおおくあるために、荷物に入れていかない場合も考えられます。
ぼけをより多く使う場合、
圧縮を使う場合、
被写体が大きいために離れねばならない場合(鉄道撮影はこれ)
狙う被写体の都合上、撮り手が立ち入れる場所が限られるためにやむを得ず使う場合(鉄道撮影はこれ)
広角レンズも同様でニーズによっては出番がないレンズかもしれません。

広角レンズの数字が引きの強弱であるなら、望遠レンズの数字は圧縮の度合いです。写真機をもって歩き回っている以上は、常々、距離とのせめぎあいとなります。
内容物が薄いと思われても造作ないのですが、多くの知識は
28mmの枠でもボロボロ書いています。お時間に余裕がございましたら、あわせてご覧くださいませ。
今回のまとめ
筆者は135mmが苦手
最終更新 2020/12/31
ここでの作例は、
すべてNikkor-Q・C Auto 135mm F2.8で撮影しています。
- 2020/12/30(水) 14:39:23|
- 写真の効能書き
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年単位で空いてしまいました、このカテゴリの中身を更新します。
50mm 、
28mmと続いて、思い付きと冷静な思考で書きます「○○mmの使い方」です。

今回扱うのは『135mm』です。中望遠レンズとして出番のあるレンジで、現在では望遠ズームレンズの中間域程度の長さ。ここでは望遠レンズの代表として取り上げようと思います。
作例はD700・D850で撮影したものを使用します。いってみましょう。。。

望遠系のレンズは写る範囲が狭まる代わりに像を大きくなる特性があります。
筆者が撮る鉄道まわりの撮影では離れた場所から決まった大きさの被写体を狙い、かつ手前の障害物をなるべくクリアにしなければならず、この特性を利用します。

被写体(手前の踏切警報機)からの撮影距離は20m弱です。
対岸の踏切警報機まで、警報機どうしで垂直に距離をとるとアバウトに見積もって7m前後の距離があります。作例でご覧いただけますように、これを
圧縮効果と呼んだりします。

ここから下は開放値のF2.8を使って、「ぼけ」に注目します。
まずはピント位置 2m程度のもの

同様の画面で、こちらはピント位置を変えて10mほどのもの

こちらのピント位置は 無限。手前の「ぼけ」

また、近寄って撮ったものでも、奥行きが圧縮された状態になるため面が強調されやすくなります。
ちなみにピント面に来ているカメラ(Nikon D2X)の寸法は、横幅157.5mm 高さ149.5mm 奥行85.5mm(グリップ部含む)です。
まとめます。
135mmは望遠レンズの要素をしっかり踏んだレンズです。
初めて扱う方、慣れていない方は、遠くのものを撮ってみるやり方のほかに、
撮影対象に対し50mmを使う場合と併せて、同じ面積になるように撮影したらどうなるかや、
ぼけをとりあえず発生させてみるやり方。この辺りを試してみて下さい。
少し慣れたら、肉眼でデッサンスケールを当てるように、135mmの画角をイメージしながら撮影するとよろしいかと存じます。

こちらは
28mmと
50mm の記事でも載せた同じ場所で撮影したものです。
今回の記事で扱ったレンズはNikkor Q・C Auto 135mm F2.8です。こちらの作例ももう少し集め、まとまり次第『レンズの話題』でもご紹介予定です。
あまり踏み込んだ内容は筆者としても線引きが難しいのでこの枠ではここまで。応用編の実装も視野にしております。
ゆっくり進めてまいりますので、気長にお待ちください。。。
最終更新 2020/11/20
- 2020/11/20(金) 22:07:28|
- 写真の効能書き
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こちらは
第17回からのつづきになります

お待たせいたしました。
28mmの実践的な使い方について載せてまいります。
なお、
自己流の覚書につき、読み手のことは一切考えておりません。また各項目とも、目的達成に近い場所を意識しているため、作例画像は満足といえるものではありません。諸々あらかじめご承知おきください。
作例画像は、記載のないものはFXフォーマットのD4・D700にて撮影したものです。
・空間の作り方 

まずはこちらの2コマをご覧ください。歩道橋からの作例です。
手前から奥までの空間をみせたい場面で、主な差異は手前の欄干を
入れてないか、
入れたかです。
赤い矢印と
青い矢印からのパースを利かせ、奥の最遠点へ向かい距離を設けています。
茶色の矢印は高い位置からの撮影であること、建物のラインで奥まで繋いでいます。

この作例、極端でありましたが、手前に欄干を入れるとこうなります(個人的解釈)。
主な違いは
・最近点のスタート地点が
欄干へ変更・
緑の矢印から奥へ。
茶色の矢印とぶつかる場所でさらに空間を設けます。
・
赤い矢印も延長。距離を設けています。
広角レンズは手前の情報をどう画面内で切り取るかに係ります。28mmに留まらず、24mm、18mmといったもっと数字の若いレンズでもこのやり方は応用できます。
要するには、
手前をどう生かすかです。
・パースをより使うには

制作課題や、クライアントから縦位置・横位置の指定をされていないのなら、難しく考えずに密度や奥行きのラインを見てみましょう。
28mmはもっと若い広角とは違い、
狭い空間ほどパースを協調できます。ここのさじ加減で今いる立ち位置の広さ・狭さを身に覚えさせていきます。
・レンズの収差を使う・回避する
F5.6時

F2.5時(開放)
レンズの数字で見られる
スペックや、
出される絵は
ピンキリです。
特にこの記事で使っているTAMRON 28mm F2.5(02B)は古いMFモデルにつき収差が顕著にみられます。
収差に関しては
レンズのモデルごとに挙動は異なります。本記事の作例通りにはいかないことがありますので
ご自身でよく調べましょう
F16

F2.5(開放)
周辺減光の絵(なし/あり)

F2アイレベル RVP100(+1増感) GT-X830
逆光時にハレーションやゴーストを使う例もあります。
・光源を使う 
ここで色と、光源による色反射の凹凸を読み切り、
それらを密度計算に組み込みます。
明るい部分を使い一部のスポットへ配置、暗い部分との差別化をすることで空間を設けることもできます。

こちらの作例では収差もつかい目線誘導に一役買ってもらっています。
このような場合ではあらゆる方法で手前の情報を切ることにより、使った焦点距離を隠すこともできます。
・流れをつける
1/15sec
さらにシャッタースピードの露出ワークも加味します。

1/45sec

15sec (三脚使用)
なお、被写体のぶれる量は足の速さと露光時間によって変わります。
シャッタースピードが遅くなれば遅いだけ手ぶれが発生します。
・・・。
結局つかいどころはどこなのか?近ければ奥行でみせる。
遠ければ手前をみせる。
被写界深度を肉眼で見極める。
まわりの流れを見極める。

F2アイレベル RVP100(+1増感) GT-X830
要するに鞄に入っていれば何かしらに使えて、
被写体を強調させる、
広さをみせる、
画面に空間を与えるなど、撮り手が写真機とともに付加価値を付けていくところにあります。
50mmと似てパースこそあって差はあるものの、そこまで大きな誇張表現はありません。

画角75度の中に自由があります。
筆者がたびたびTwitterや本ブログで申し上げる密度についていわゆる前回の記事で申し上げました「広い場所」と「狭い場所」。
条件によって具体的にどのくらいを差すかは変動しますが、
畑・水田のど真ん中で撮影する場合と、乗り物の車内・学校の廊下といった建物の中といった具合。
カメラをもって立っている場所からみて、最近の場所から最遠の場所までの線引きできまります。
自分の視点はひとつ。周りの流れは必ずあり、写真機までの距離には
間接的になにがあるのか。
勝手な憶測でありますが、これに慣れると望遠レンズの取扱いに困る事は微塵でも少なくなると思います。
筆者は「習うより慣れろ」で2012年から28mmを扱っております。感覚派としてのアウトプットはこのような感じ。
もし実践される方がいらっしゃるとするならば、まず
お住まいの地域や通いなれた場所で、
じっくり撮影して視点を覚えていくことから始めるといいと思います。
実際、多くのレンズを扱っていく中で、周辺減光や非点収差はこの辺から知り、画角や絵の作り方は大学からバス代をケチり帰り道で覚えました。
今回のまとめ
画面内でのスペース埋めの勘定合わせだけではいつか頭打ちになります。
最終更新 2019/07/12
ここでの作例は、
すべて
TAMRON 28mm F2.5(02B)で撮影しています。
- 2019/06/03(月) 12:28:28|
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久しくこのカテゴリの中身を更新します。 思い付きで書きます「○○mmの使い方」です。

今回は広角レンズであります28mm。
一般的に50mmより若い数字は「広角レンズ」と定義されます。その中でも28mmは入手が容易で安価なものが多く、かつ多くのズームレンズのカバー範囲でのあるメジャーな焦点距離の一つです。
使う機体はFXフォーマットのD4・D700で進めます。

まずは素でどうみえるのか。画面の四隅に注目です。
F16まで絞り込み「
パンフォーカス」で撮影しています。広いレンズほど被写界深度をより確保しやすくなります。

広い場所で撮影した際の様子。

狭い場所で撮影するとこのようになります。
壁のある場所や物が近くにある条件では「
パースペクティブ」が目立ちます。

被写体に寄って撮影すると
手前は大きく、
奥は小さく写る特徴があります。

以前、同じ場所で50mmを使いました。
どのように違ってくるのか
過去記事も併せてご覧ください。
まとめます。
この焦点距離は使い様が
幅広く隠されております。
初めて扱う方、慣れていない方は、
画面内で一番「
近い場所」と「
遠い場所」を意識して撮影してみてください。併せて『
周りに何があるか』の観察も重要です。
3次元で見えている状況をいかに2次元の媒体へアウトプットできるかが最も重要になります。
今回の記事で扱ったTAMRON 02B(28mm F2.5)は
こちらで作例をのせています。併せてご覧ください。。。

今回は簡単なご紹介でありましたが、より楽しく撮影できる
実践編もございます。。。
お時間がございましたら、あわせてご覧ください。
最終更新 2020/09/17
- 2019/06/01(土) 00:18:10|
- 写真の効能書き
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梅雨時でございます。
今回は、
第12回で取り上げました画角に関係することを、別の側面から見ていきたいと思います。どのような事を載せていくかと申しますと、「ぼけ方」の違いになります。
比較の仕方はFXフォーマットのD4を起用。
レンズは望遠側から
・Ai-S Zoom-Nikkor 80-200mm F4
・AF-S Zoom-Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G ED (IF)を用います。
対象物の上下の寸法が、フォーカスフレームくらいにかかる程度の大きさで撮影し、F値はすべて統一しF5.6とします。
なおレンズの最短撮影距離をふくめ、対象物の大きさに少し誤差があります。そちらよりもぼけの量にご注目ください。

200mm(1.5m)

135mm(1.2m)

85mm(0.7m)

50mm(失念)

38mm(0.38m)
こんな感じです。なお、実際に離れている距離を正確にメモしてあるもの()で記載しています。
違いをわかりやすく簡単に見せるため、近寄ったものを対象に選びましたが、5m~50mくらいで同じ条件をつかって試しても
ぼけの量はかわります。そのほか距離は一定でもF値でぼけ量はコントロールできます。
今回の内容を解りやすくまとめますと、焦点距離が大きい数字の
長いレンズであるほど大きな「ぼけ」が得られます。今回の警戒標識
:ピント注意!!
- 2018/06/15(金) 12:13:15|
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